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第102回 2017年1月20日 クインオブクイン
クインオブクインは2004年から2009年の地方競馬を彩りました。笠松の松原義夫厩舎に所属し濱口楠彦騎手を背にして全国を舞台に戦い続け、クイーン賞2着やエンプレス杯3着などダートグレードレースでも大活躍。400キロ前後の小さな体で果敢に立ち向かうその姿から「笠松の小さな女王」として人気を集めました。現役時代の成績は、57戦14勝2着8回3着6回(重賞9勝岩手時代も含む)。現役引退後は長浜忠さんの牧場(新冠)で繁殖生活をスタートさせました。「何より健康に幸せに生きてもらいたいです。その上で、クインさんや子供が周りの人たちにときめきと幸福感を届けられる存在になってくれることを願っています」と、当時お話しをされていた奥様の智美さん。
その願いが、ついに届けられました!!!
クインオブクインの3番仔となるクインザドリーム(愛知・迫田清美厩舎)が、1月17日に名古屋競馬場で行われた3歳重賞新春ペガサスカップで、戸部尚実騎手が騎乗し見事な勝利を挙げました(8番人気)。398キロながらも勝負根性あふれる走りで、最後の直線で切れ味炸裂。
母はクインオブクイン、父が南関東の雄フリオーソと、地方競馬ファンにとってはたまらない血統の持ち主で、地方競馬全体の明るいニュースとも言えるでしょう。クインザドリームはもちろん、母クインオブクインにとっても産駒初の記念すべきタイトルです。
「クインさん(クインオブクイン)の子育ては、子供がお乳を飲んでいるうちは離れないで子煩悩なんですが、ある程度大きくなると、『他の子供と遊んでいらっしゃい』と放任主義になるんです。ヒメ(クインザドリームの牧場時代の呼び名)も他の親子と一緒に遊んでいました。馬見知りをしないですごく懐っこくて甘ったれでしたね。でも、なぜか男の子に対しては女王様のように睨みをきかせて気の強いところを見せていたのも印象に残っています」(智美さん)。
そんな愛らしかったクインザドリームが、長浜さんの牧場から巣立ち、育成牧場へ入り、北海道の山口竜一厩舎で無理をさせずに大事に育てられ、愛知に渡って重賞ウィナーの仲間入りを果たしました。これからさらにどんな競走生活を送っていくのでしょうか。
今年もクインオブクインは、出産という大仕事が待っています。お腹にはノーザンリバーの子供を宿していて、出産予定日は5月28日とのこと。15歳になり、すっかりベテランママの仲間入り。
これからも北の大地から、たくさんのときめきを待っています!
高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など