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第99回 2016年10月20日 パルブライト
今年は地方競馬の総大将だったフリオーソの産駒がデビューし、地方ファーストシーズンサイアーランキングトップに君臨中。そんなフリオーソを父にもつコスモス(川崎・河津裕昭厩舎)が巷で話題を集めています。岡田繁幸オーナーがデビュー前から絶賛していると。そのコスモスの2代母がパルブライトで、再びこの名前が脚光を浴びるようになりました。パルブライトは1994年に大井競馬場の荒居貴美夫厩舎からデビューし、東京3歳優駿牝馬と大井記念を優勝。その後は中央競馬に移籍して新潟記念と函館記念を制し、ダートでも芝でもオールマイティーな活躍を見せました。
現役引退後は繁殖生活に入り、合計12頭の産駒をこの世に送り出しました。コスモスの母カーラは、パルブライトの9番目の産駒です。今年1歳の牝馬(父ナカヤマフェスタ)が最後の仔となり、現役時代から所有していた木浪巖オーナーの想いを受け、功労馬として過ごしています。
新ひだか町の西川富岡牧場さんでのんびりとした日々を送っているパルブライト。早いもので今年24歳になりました。馬房から撮影のために外へ出して頂いたんですが、体はハリがあってパーンとしていて、大きなお腹をユサユサと揺らしながらもスタスタと歩く姿は、年齢を感じさせずに正直驚きました。佇む姿は凛としていて、とてもカッコのいいお婆ちゃん。
6年前におじゃましたときも食欲旺盛とお聞きしたのですが、今もそれは変わらずに、歯も丈夫なので、普通の馬と同じカイバを食べているそうです。そして、大好きな青草をお腹いっぱいに満たしている日々だそう。
「元気なおばあちゃんって感じですね。とにかく食べるし健康的ですよ。長生きして欲しいです」と富岡京子社長。
今思えば、6年前におじゃましたとき。パルブライトと一緒にいた当歳が、のちのコスモスの母となるカーラでした。首を上げずに青草を食べ続けていたパルブライトが、愛娘がお乳を飲もうと近づいてくると、食べるのをやめ、お乳を飲みやすいように体勢を作っていました。
子煩悩で愛情いっぱいに子育てしてきたというパルブライト。そんなパルブライトから想いを受け継いだカーラ。そのカーラが母となり、最初に誕生させたのがコスモス。祖母から母、息子へ……夢は続いていきます。
パルブライトの見学については引退名馬のホームページで確認してください。
https://www.meiba.jp/
高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など