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第93回 2016年4月20日 ツルオカオウジ
ツルオカオウジは大井の久保與造厩舎<小林>に所属し、2歳から8歳まで走り続けました。2010年の黒潮盃は町田直希騎手とのコンビで重賞初制覇を飾ると、その後は蹄の不安などで順調さに欠く時間もありましたが、休養を挟みながら大事に使われてきました。何より血統も魅力で、父は岩手の雄メイセイオペラ、母はサラ系のミノンタイトル、南関東で走りのちに中央競馬へ移籍し有馬記念を制したヒカリデユールの血も流れています。メイセイオペラ産駒一番の稼ぎ頭。
540キロ前後のビッグサイズの馬ですが、童顔のような愛らしい顔つきで、キラキラしたビー玉のような瞳も印象的でした。
東京都内で出版関係のお仕事をしている梶原晴美さんは、メイセイオペラの大ファン。産駒はどの馬も応援してきたそうで、その中の1頭としてツルオカオウジも誕生直後から見守ってきたそうです。
梶原さんは現役時代のオーナー様のご理解と引退馬協会のサポートの下で、ツルオカオウジのファンの方々と一緒に今後を支えていけたらと、『ツルオカオウジの会』を立ち上げました。
引退後は乗馬になることが決まっていたそうですが、脚元の具合が思わしくなかったのでその道は断念し、予定外に早くこの会を発足することになったそう。
会員さんは募集中で、月額一口2000円、複数口でも可(二口目は半口1000円から)。寄付なども随時募集中とのことです。
ツルオカオウジは北海道の白老にある養老牧場「イーハトーブ オーシァンファーム」で暮らしています。ここには、同じメイセイオペラ産駒で浦和の宇野木数徳厩舎所属し、122戦したロマンテノールも余生を送っています。
ツルオカオウジの現在は、朝8時から13時半頃まで放牧され、あとは馬房の中でのんびり過ごす悠々自適な毎日。放牧地は他の馬たちとは離れたところにあるそうですが、隣にはポニーやヤギもいるので寂しくはないそうです。
「最初の頃はピリピリしていてあまり体を触らせたくなかったみたいですが、今は落ち着いているそうですよ。食欲は変わらずに旺盛で、当たり前ですがニンジンが大好きだそうです。元気で幸せに暮らして、長生きして欲しいです」(梶原さん)。
今後も『ツルオカオウジの会』のフェイスブックやブログなどで近況を報告していくそうです。
たくさんの人たちに見守ってもらえる日々が送れるといいですね!オウジが安心して暮らせますように……。
高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など