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第29回 2014年02月10日(月) ラーメン・やきめしセット(高知競馬場)

高知競馬場
「岡林食堂」 ラーメン・やきめしセット(800円)

 高知競馬場のパドックの奥には食堂街があるが、現在の姿は昨今の地方都市の商店街のようなシャッター街。それでもそのなかにある岡林食堂は、昔からの「食堂」の暖簾を守っている。
 ただ、高知夜さ恋ナイターとなると、食堂を利用したくなるのは夜の時間帯。はたして地元ファンは、夜食を競馬場で食べるのかしら?
 というのも、昨年11月に高知競馬場に行ったとき、午後3時頃に掛かっていた岡林食堂の青い暖簾が、午後7時頃にはシャッターに変わっていたという経験があったから。確かに一般エリアにいる観客はそんなに多くないからなあ……。
 という経験を踏まえて、今回は午後2時すぎに入店。さて、何にしようかな。
 と思うくらいにメニューの種類は多いのだけれど、店内にはほかにお客さんがいないことだし、作るのが大変そうなものはやめとこうかななんて思ってしまう。でもそれとは関係なく、ここは「ラーメンとやきめし」かなという気になった。高知はなぜか「やきめし」がわりとポピュラーで、カツオを食べられる海鮮系の店にも「やきめし」が存在したりする。チャーハンではなくて「やきめし」。個人的には立派な高知の名物料理だと思っているのだけれど?
ラーメンやきめしセット
 しばらくすると、高知競馬場のスタッフとおぼしき人が入ってきて、その人も「ラーメンとやきめし」を注文した。やっぱりこれが1番人気なんだなあ。
 リズム感がある包丁の音を聞き、中華鍋で具材が踊る音を聞き、それが消えるとできあがり。あら、ポテトサラダもついてきた。もう何十年も作り続けてきた味だから、おいしくないわけがない。これぞ高知競馬の味でしょう! ところで、今日は何時まで営業しているんですか?
 「今日は6時半ぐらいまでですね。競馬場のお客さんは、夜ごはんを自分の家で食べるんですよ」
 なるほど、やっぱりそうなのか。つまり、遠方から公共交通機関で来て、最終レースまで競馬場にいるという場合は要注意ということですね。それでもゆったりと時間が流れるこの場所は、高知競馬場のなかで貴重なところ。青い暖簾が末永く掛かってくれることを願わずにはいられない。


文・写真●浅野靖典

浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。

※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。