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第26回 2013年11月8日(金) フライ定食(川崎競馬場)

川崎競馬場
「味のみよし」 フライ定食(450円)

 川崎競馬場の名物といえば、パドックの横で売られている「やきそば」が真っ先に頭に浮かぶ人が多いだろう。自宅では再現しにくいその味は「スパイシーやきそば」として定着している感がある。
 個人的にも年に1回か2回くらいは食べているのだが、「メシでも食うか~」という気分のときは、やはり屋台系のものではない方向に気持ちがいく。そんなときによく行っているのが、ゴール前にある1号スタンドの2階にあるフライの店だ。なんてったって、ごはん、みそしる、漬物にフライ2点で450円。競馬場って、高級ホテルのランチくらいの金額を(ときにはディナー)30分おきにホイホイ使ってしまう場所なのに、なんで食事をするときは安いものに目が行っちゃうんでしょ。この金銭感覚のギャップって不思議だわあ。
 でも、ここは安いのがとりえ、というわけじゃないからまあいいか。さっそく「フライ定食で、アジと玉ねぎ」とお兄さんに注文だ。おお、アジは最後の1枚だったらしい。そりゃラッキーと心のなかでニヤリとすると、トレーに載った定食をお兄さんが立食テーブルまで運んでくれた。

 山盛りのどんぶりメシに一汁一菜。いいねえ、日本人的な食事だねえ。と、すっかり気持ちはリラックス。待ち時間がほとんどないから、食事のために1レースを見送らなくて済むのもいい。食べている間にも続々と来客は続き、ビールを求める人には常連さんも多いようだ。これだと話を聞く時間はなさげだなあ。

 ということでこちらも競馬に戻って、メインレース前に改めてお店に行くと、そろそろ店じまいの雰囲気。
「常連さんにかわいがってもらっていますね。ありがたいです。ウチは、ここと通路をはさんで並びにある食堂と、2号スタンドの2階にあるタンメンの店もやっていますよ」とのことで、川崎競馬場の食事施設としては一大勢力らしい。その全部に入ったことがあるけれど、提供しているメニューに関連性がないのが面白い。

「となりもそのとなりも店を閉めちゃって、さみしいですね。でもウチはがんばりますよ」
 川崎競馬場1号スタンドの人の流れには、1階と2階の行き来が少ない感じがあって、大レースのときなどは1階が大混雑でも2階は余裕ありということも多い。でも、スタンド2階にある「味のみよし」のすぐ裏は、レースが広く見渡せて迫力も感じられる、すばらしい観戦スポットとしてオススメできる場所。良質の腹ごしらえとレース観戦が、至近距離でできるところでもある。

文・写真●浅野靖典

浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。

※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。