船橋競馬場
「田久保」　煮込み丼（500円）

　船橋競馬場には今年の春、パドックの近くに新しい投票所がオープン。場所がいい上に快適なのでいつも賑わっているが、しばらく「新投票所」と呼ばれていた。しかしその無機質な名前も9月23日に「アタリーナ」に変わることが決定。これからも船橋競馬場のシンボルとして、存在感をみせてくれることだろう。
　その「アタリーナ」にパドックから向かおうとすると、その向こう側にある売店が以前とは違う感じになっているように見えた。ここは飲み物を売っているだけだったはず。
　近づいてみると、やっぱり前とは違っていた。「もつ焼き」の暖簾に「丼物」ののぼり。店の前には大型テントも備わっている。
　じゃあ、今日の朝昼食はここにするか、と思って店頭を見ると、「煮込み丼」と「カレーライス」が食事系のメニューになっている模様。どちらにするか少し考えて、やっぱり競馬場フードは煮込みでしょという結論になった。
　「煮込み」は小さめの鍋で煮込まれていて、ごはんの上にそれを載せれば「煮込み丼」の完成。多めに散りばめられたネギとの相性もよく、味で競馬場に来たことを実感させてくれる。そういえば、ここにはモニターがなかったよなあ。もうすぐ第2レースの発走時刻なんだけど……
　と思ったらなるほど、パドックの出走馬を表示する大画面はレース映像も映すのね。イスはちょっとリッチな感じがするし、ここで競馬を観ながらの宴会もできそうだ。

レースは席から大画面で

「ウチはもともとスタンドの3階にあったんですけれど、スタンドが耐震補強工事をするということで移動することになりまして、今年の春からここで営業しているんです」
　と、ご主人。以前の店があった場所は、吹き抜けになっていて、人の姿が多く見られるところだった。それで今はこの場所。客層はどうなったのだろうか。


「以前の常連さんがよく買いに来てくれていますよ。イスは廃業した食堂から譲り受けて、テーブルも3階から持ってきました。でも夏はけっこう風がきつくてねえ。だから冬は寒くていられないんじゃないかなあ」

「田久保」の店とご主人

　確かに以前の店は、三方をスタンドで囲まれている形だった。それがここだと吹きさらし。屋根はあるけれど、これからの時期はちょっとつらいかも。
　でも、パドックと大画面とイスがあるシチュエーションはなかなかのもの。そして長年の営業経験がにじみ出ている煮込みの味は、リピーターができるだけのクオリティがある。


「こんど、カレーライスを食べてくださいよ。なかなか広がらないんですけれど、一度注文すると常連になってくれるケースが多いんです」
　そうなんですよ。朝食にカレーを食べると脳が覚醒するって、なんかの記事で読んでいたので、それで注文のときに少し考えたんだよなあ。よし、次に船橋競馬場に来るときは、ここで朝カレーといきますか！