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第21回 2013年6月10日(月) おにぎり(大井競馬場)

大井競馬場
「おに平」 おにぎり(1個150円)

 個人的にナイター開催の大井競馬場に行くときは、朝または昼から何も食べていないケースが多い。空腹のまま勝負に臨むと、感性が研ぎ澄まされて判断や決断が鋭くなるという利点はあるが、「腹が減っては戦ができぬ」という言葉もある。なにごとも、過ぎたるは及ばざるがごとし、ということなのだろう。そんなわけで軽く胃の中に入れておこうと思って、日本古来の伝統料理、おにぎりを買おうと「おに平」の列に並んだ。

 だがしかし、店頭に表示されていたのは「ごはんを炊いています」という文字。ということは、しばらくおにぎりは買えないということか。それなら仕方がないので、パドックが終わってから出直すか……。
 というわけで15分後に店頭に戻ると、列の長さは相変わらず。それでも厨房ではおにぎりが量産されているようで、すんなりと買うことができた。今日のメニューは「しゃけ」「めんたいこ」「おかか」の3種類。ちなみに「おかか」はコンビニ業界からの情報によると、50代以上の客によく売れているそうなので、ここは若者らしく(汗)そのほかの2つを注文してみた。
 まさに炊きたてホヤホヤのごはんで握られたおにぎり。まずビックリするのが、その幅だ。2つのおにぎりを並べなおして、サンプルとして登場のハズレ馬券と比較すると、ほとんど同じサイズではないですか。これはコンビニのおにぎりでは体験できない大きさ。うまい具合にほぐれていく米の密度も絶妙だ。

 まずは「しゃけ」からいただきまーす。熱いっ。でも良好な塩加減。ちょっと硬めに炊き上げられたお米もいい感じ。水分量が多いと食感がイマイチになるものね。さすが専門店ならではの職人技!
 1個目を食べたところで締め切り2分前になったので、「めんたいこ」はレースを見ながら食べることにしよう。競馬場には軽く食べられるものも用意されているが、米が食べたいという気分を満たそうとすると、しっかりとした食事になりがちだ。その点、おにぎりはとても気軽。大井競馬場にこんなステキなメニューがあるなら、コンビニやスーパーで買ったおにぎりを持ち込むなんて愚の骨頂!

 レースを見ながら2個目のおにぎりを食べ終わると、これで夜食は十分だなという気分になった。でも、この日は最終レース終了後に飲み会があるのよね。その準備という意味でも満点のメニューといえますな!

文・写真●浅野靖典

浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。

※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。