浅野靖典の全国馬美味(ウマウマ)行脚」地方競馬にまつわる「ウマいもの」を毎月ご紹介!
“鉄人”佐々木竹見の見解」佐々木竹見元騎手がダートグレード各競走を“鉄人”の目線で鋭く解説!
高橋華代子の(続)気になるあの馬は…」引退後や転厩した名馬の近況を愛あふれる文章でご紹介!
REWIND 90's」当時の写真や映像を交えて90年代の名馬の活躍を振り返ります!

第24回 2013年9月10日(火) 天ぷらそば(大井競馬場)

大井競馬場
「かしわや」 天ぷらそば(400円)

 実を言うと、私の好物のひとつは「天ぷらそば」。清楚なたたずまいで玄関前に暖簾がかかり、中に入って注文すれば海老天などが上品に添えられている、そういう「天ぷらそば」が好きなわけではない。私が好きなのは、駅のホームなどにあるアレ。注文すれば20秒程度でハイヨとドンブリが出てくる、そっちのほうの「天ぷらそば」だ。
 いわゆる「立ち食いそば」というのは、立派な日本の食文化だと思う。個人的にいろいろと外国に出かけているが、日本以外ではこういった営業スタイルはほとんど見かけない。でも、それが日本では北から南まであちこちにあるのだから、これはもう文化といっていいでしょう。日本が世界に誇れるものはたくさんあるが、立ち食いそばもまた、そのうちのひとつなのだ。
 ただ最近は時代の流れなのか、味が画一化してきている感じ。昔は立ち食いそばでも店のオヤジさんならではのそばつゆを作っていた店が多かったのだが……。
 それでも絶大な人気と安心感がある立ち食いそば。でもそういえば競馬場で立ち食いそばを食べたことがほとんどないなあ。と、ふと気づいてしまったので、大井競馬場のL-WING2階にある「かしわや」に行ってみた。
天ぷらそば

 食券を買って、カウンターに出して、数十秒待つと「天ぷらそばのお客さーん」と声がかかる。容器は発泡スチロールだけれど、中身は間違いなく日本の正しい立ち食いそばという感じだ。さっそく箸を入れて口に運ぶと、予想通りの味で安心。てんぷらをつゆにひたして分割して、それとそばとを混ぜながら食べ進めていこう。というところで、ここはパドックを展望しながら食事できるということに気がついた。ていうか、気づくのが遅いでしょ!

パドックを眺めながら食事ができます

 でも、天ぷらそばを味わうことに集中していたんだもの、仕方ないでしょ。ということで、食べかけで失礼ながら、パドックを背景に写真を一枚。ドンブリから立ち昇る和の香りも心の安らぎにつながって、次のレースに向けての気分転換になった。こんどは馬がパドックを歩いているときに来ようっと!
文・写真●浅野靖典

浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。

※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。