第33回帝王賞(JpnI) 参考レース&注目馬解説
2010年06月28日
第33回帝王賞(JpnI)
2010年6月30日(水)大井競馬場 2,000m
<参考レース>
■ 東京大賞典(08年12月29日|大井)
1着:カネヒキリ2着:ヴァーミリアン
3着:サクセスブロッケン
5着:フリオーソ
6着:ボンネビルレコード
逃げたのはブリーホークだが、2番手にサクセスブロッケン、3番手の内にボンネビルレコード、外にカネヒキリ、そのうしろにヴァーミリアン、フリオーソと続き、好位に有力馬が固まりスローな流れ。直線を向いてサクセスブロッケンが先頭に立ったが、その外からカネヒキリ、ヴァーミリアンが馬体を併せて交わしにかかり、ゴール前では2頭の一騎打ち。最後はカネヒキリがクビ差でヴァーミリアンを振り切った。
■ 帝王賞(09年06月24日|大井)
1着:ヴァーミリアン2着:フリオーソ
3着:ボンネビルレコード
逃げたのはこれが引退レースとなったアジュディミツオー。やや離れた2番手を追走したフリオーソと、直後につけたヴァーミリアンが、3コーナー過ぎでアジュディミツオーを交わしにかかると、直線は2頭が馬体を併せての一騎打ち。しかし手ごたえの差は歴然で、軽くムチを入れられたヴァーミリアンがフリオーソを突き放し、3馬身差をつけて圧勝。4番手好位のラチ沿いを追走したボンネビルレコードはさらに5馬身差の3着。
■ ブリーダーズゴールドカップ(09年08月13日|門別)
1着:スマートファルコン2着:アドマイヤスバル
4着:フリオーソ
フリオーソがハナを奪い、スマートファルコンがぴたりと2番手でマーク、トップサバトン、アドマイヤスバルと続き縦長の展開。3〜4コーナーでスマートファルコンが先頭をうかがい、アドマイヤスバルも直後に迫った。直線半ばでフリオーソが後退すると、単独で先頭に立ったスマートファルコンがそのまま押し切って勝利。アドマイヤスバルは最後まで差を詰めることができず1馬身差の2着。フリオーソは4着に敗れた。
■ 東京大賞典(09年12月29日|大井)
1着:サクセスブロッケン2着:ヴァーミリアン
4着:セレン
6着:ボンネビルレコード
7着:フリオーソ
8着:サイレントスタメン
9着:トウホクビジン
フリオーソが好ダッシュでハナを奪い、サクセスブロッケン、ロールオブザダイス、ヴァーミリアンと続いた。向正面でペースが落ち着いたところでゴールデンチケットが一気に先頭まで進出、ヴァーミリアンも続いた。直線、残り200メートルでヴァーミリアンが先頭に立つと、遅れて仕掛けたサクセスブロッケンが外から並びかけて2頭の一騎打ち。最後はサクセスブロッケンがハナ差で勝利。直線追い込んだセレンが4着に入った。
■ かしわ記念(10年5月5日|船橋)
2着:フリオーソ3着:アドマイヤスバル
4着:サクセスブロッケン
5着:マコトスパルビエロ
6着:セレン
9着:サンライズバッカス
10着:トウホクビジン
2番手を追走していたフリオーソが4コーナーで先頭、エスポワールシチーが直後に迫った。直線を向いてもフリオーソが先頭で粘っていたが、残り100メートルで断然人気エスポワールシチーが交わして勝利。フリオーソも1馬身半差の2着に健闘。エスポワールシチーのうしろを追走していた中央の有力勢は直線で離され、アドマイヤスバルが4馬身差3着。2番人気のサクセスブロッケンは直線伸びが見られず4着に敗れた。
<注目馬解説>
● サクセスブロッケン(JRA)
初JpnI制覇となった08年のジャパンダートダービー以降、12戦してそのうち11戦がGI・JpnIと、ダートのGI・JpnIに狙いを絞って使われている。昨年は、フェブラリーステークス、東京大賞典と2つのタイトルを獲得。今年、フェブラリーステークスは3着だったが、先着された2頭は今回不在。2カ月半ぶりのかしわ記念は4着で、巻き返しなるかどうか。もしここを勝てば、持ち回りのJBCを除いて大井のJpnI完全制覇となる。
● ヴァーミリアン(JRA)
8歳を迎え、ここまでに獲得したタイトルはGI・JpnIの9勝を含め重賞13勝(うち、芝で1勝)。07年1月の川崎記念以降はドバイ遠征も含めてGI・JpnIのみを使われ、今回で17戦連続でGI・JpnI出走となる。中央や海外では着外となることもあるが、地方遠征ではここまで12戦して10勝、2着2回のオール連対。2着に敗れた2戦は、08、09年の東京大賞典だが、いずれもタイム差なしの接戦。地方の馬場に対する適性、安定感は抜群。
● スマートファルコン(JRA)
地方のダートグレードを中心に使われ、前走のさきたま杯で獲得したタイトルが10となった。3歳時は芝で惨敗もあったが、ダートに限れば通算18戦13勝、2着4回。唯一連対を外した昨年の浦和記念は、スタート後に他馬にぶつけられるアクシデントがあってのもの。そのダメージから復帰して2連勝。ダートJpnIは08年のジャパンダートダービー、JBCスプリントでいずれも2着。1年8カ月ぶりのJpnI挑戦で待望のタイトル奪取なるか。
● マコトスパルビエロ(JRA)
3歳時に新潟ダートのオープンでレコード勝ちはあったが、重賞初制覇は5歳になった昨年7月のマーキュリーカップ。6連勝中だったスマートファルコンを4馬身ちぎっての逃げ切りで一気に本格化したか、その後日本テレビ盃、名古屋グランプリと、昨年はダートグレードで3勝。今年はマーチステークスで中央の重賞も初制覇。昨年のJBCクラシックではヴァーミリアンにアタマ差2着と迫った経験もあり、初のJpnIタイトルを狙う。
● カネヒキリ(JRA)
脚元との戦いもあり、8歳にしてここまで20戦のみだが、獲得したGI・JpnIは7つ(ほかにGIIIを1勝)。屈腱炎による1年4カ月の休養から復帰したのが08年秋で、ジャパンカップダート、東京大賞典、川崎記念とGI・JpnIの3連勝には驚かされた。昨年のかしわ記念ではエスポワールシチーに3/4馬身差の2着に敗れたが、ゴール後に下馬して骨折が判明。再び1年以上の休養から復帰戦となる今回、8つ目のGI・JpnIを狙う。
● アドマイヤスバル(JRA)
デビューからダートを中心に使われ、通算10勝目となった昨年の白山大賞典が、6歳秋になっての重賞初制覇。地方でのダートグレードは5戦していずれも3着以内に好走。距離も自在にこなし、昨年のJBCスプリントではスーニに3/4馬身差と迫る2着もあった。ほかにジャパンカップダートは5着、前走かしわ記念ではサクセスブロッケンに先着する3着と、GI・JpnIでもそこそこのレースをしているだけに、今回は好走以上の結果を狙う。
● フリオーソ(船橋)
全日本2歳優駿、ジャパンダートダービー、そして08年の帝王賞と、2歳時から3年連続でGI・JpnI制覇を果たしたが、昨年獲得したタイトルはJpnIIのダイオライト記念のみ。しかし、年明けの川崎記念ではコースレコードでの決着となったヴァーミリアンにクビ差の2着。前走かしわ記念はエスポワールシチーに1馬身半差及ばずの2着だが、直線で一旦は先頭に立ち、あわやの場面を見せた。2年ぶりのGI・JpnIタイトル奪取なるか。
● ボンネビルレコード(大井)
デビューした大井では重賞4勝を挙げ、その後中央に移籍。ダートグレード初制覇となったのが07年の帝王賞で、08年にはかしわ記念、日本テレビ盃も制し、そのダートグレード勝ちの鞍上には、常に的場文男騎手がいた。今年の川崎記念6着後、大井に復帰。前走大井記念は直線ラチ沿いから伸び、勝ったセレンに2馬身差の2着と好走。帝王賞は08年にも2着、昨年も3着と好走している相性のいいレースだけに、今回も上位を狙う。
● セレン(船橋)
昨年は重賞初挑戦となった東京記念2着のあと、京成盃グランドマイラーズ、勝島王冠を連勝。ダートグレード初挑戦となった東京大賞典では、メンバー中最速となる上がり3ハロン36秒5の末脚を繰り出し、勝ったサクセスブロッケンからコンマ3秒差の4着と善戦した。年明け初戦の金盃でマズルブラストに半馬身差の2着に敗れたあとも、ダイオライト記念4着、かしわ記念6着と強豪に胸を借りた。前走大井記念を快勝してここに臨む。
文・構成:斎藤修(サイツ)
※ 当コンテンツの内容は、編集時点(6月28日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。
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