第124回 2018年11月20日 タイキアヴェニュー&キタサンジュエリー
今年18歳のタイキアヴェニューは、2003年9月に中央競馬からデビューするも兵庫競馬へ移籍し、2005年新春賞を制して重賞ウイナーの仲間入りをしました。17歳のキタサンジュエリーは、2004年10月に船橋競馬場からデビューし、初戦を勝つもわずか5戦で引退して繁殖入り。
それから月日が流れ、現在は2頭とも有名馬の母になりました。タイキアヴェニューは、今年の東京ダービー馬で、昨年のNARグランプリ2歳歳最優秀牡馬を受賞したハセノパイロの母。キタサンジュエリーは、東京盃連覇を飾り、前走のJBCスプリント3着だったキタサンミカヅキの母です。
2頭が暮らすのは広中稔さん(日高町)の牧場。今年77歳の広中さんは、繁殖牝馬4、5頭の規模で牧場を営んできたそうです。そんな中、ハセノパイロの母とキタサンミカヅキの母が一緒に暮らしているというのも豪華な空間。
タイキアヴェニューは大人しい穏やかな性格で、自分の子供をかわいがるだけではなく、他の繁殖牝馬の子供にもミルクを与えることがあるほど優しい馬とのこと。
キタサンジュエリーは繁殖牝馬たちのボスで、放牧地に入る時も厩舎に帰る時も何でも一番。キタサンジュエリーのことをタイキアヴェニューは怖くてあまり近寄らないそうで(苦笑)。繁殖牝馬にきついところを見せても、子供はとてもかわいがりながら育ててきたそうです。
今年、広中さんは久しぶりに愛馬たちと再会。
「(ハセノパイロは)北海道に休養で帰ってきた時に会うことができました。育てられた思い出があるのか、声に反応してくれて覚えてくれているのかなってうれしく思いました。
(キタサンミカヅキは)京都競馬場のJBCスプリントを応援に行きました。デビューしてから初めての現地観戦で、一段と立派になって闘志をむき出しにしていましたね。結果は3着に負けましたが、最後まであきらめずに一生懸命に走ってくれました。
馬たちは本当にかわいいです。これからももうひと頑張りしてもらって、怪我をしないで走って欲しいです」(広中さん)。
この仕事が面白くてやめられないと言っていた77歳の広中さんに、元気とパワーを与えているタイキアヴェニューとキタサンジュエリー。北の大地で元気に暮らしていました。
高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など