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第118回 2018年5月18日 ギンザグリングラス

(提供:藏内優子さん)

Profile
 メジロマックイーン産駒最後の現役馬というギンザグリングラスが種牡馬入りした話しを聞いたのは、今から約3年半前。

 改めて戦績を調べてみると、2007年8月に中央競馬からデビューし、翌年1月に初勝利を挙げると、8月からは南関東へ移籍。主に川崎の山田正実厩舎に所属して、芦毛・白毛の馬たちが出走するホワイトクリスマス賞などを優勝。通算成績は109戦3勝2着5回3着11回という成績で、9歳まで走り続けました。2014年10月に現役を引退。

 この成績で種牡馬入りするのは、本来難しいことでしょう。しかし、ギンザグリングラスは運命的な出会いがありました。

 現在のオーナーでもある藏内優子さんは、川崎競馬場でギンザグリングラスに会ってから、その姿や存在全てに魅了され、出走の際には必ず応援に駆けつけていたという熱烈なファン。ギンザグリングラスの馬生が大きく変わり、種牡馬入りをした際にはネット上でもかなりの反響があったことを思い出します。

 「山田調教師や現役時代に所有されていたオーナーの秋元順紀さんのご理解、ギンザグリングラス君への思いやりや優しさも、本当に大きかったと思います。そして、種牡馬繋養を承諾して相談に乗ってくださった旭牧場さんのお蔭です」(藏内さん)。

 あれから3年の月日が流れ、間もなく記念すべき初年度産駒2頭がデビュー予定です。ミナノキング(川崎・山田厩舎、牡馬、母 キョウエイプレアー)とクイーンソネラ(岩手・櫻田浩樹厩舎、牝馬、カヤドーミーティア)。どちらも父譲りの芦毛。

 現在は新冠の白馬牧場さんで種牡馬生活を続けているギンザグリングラス。藏内さんは先日も会ってきたそうです。「のんびり暮らしているようで、落ち着いてマイペースな所は今まで通りですね。ギンザグリングラス君を生産された中脇満さんにも、生まれた頃からマイペースな馬だったというのはお聞きしたことがあります」。

 白馬牧場の長浜和也さんのお話しでは、腰の疲れを取るためにササ針を施したところ、今年種付けを行った際には元気にしっかりお仕事をこなしていたそうです。ギンザグリングラスも13歳、働き盛りですね!

 藏内さんの愛情をいっぱいに注がれているギンザグリングラス。今思い浮かぶ言葉は、幸せな馬だなぁ……と。

 ギンザグリングラスの見学についてはこちらです。
 https://uma-furusato.com/i_search/detail_farm/_id_1510

高橋華代子(たかはしかよこ)

元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など

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