第123回 2018年10月19日 ソルテ
「ソルテ引退、種牡馬入り!」
~今月のこのコーナーは特別バージョンとして、ソルテの引退についてお伝えします~
2016年NARグランプリ年度代表馬&4歳以上最優秀牡馬&最優秀短距離馬の3部門を獲得したソルテ(大井・寺田新太郎厩舎)が、現役を引退し、種牡馬入りすることになりました。
ソルテは2010年5月30日に、北海道新ひだか町の下村繁正さんの牧場で誕生。50年近く牧場を営んできた下村さんの牧場には、2、3頭の繁殖牝馬がいて、そのうちの1頭がソルテの母ヒノデモンテローザだったそうです。
とねっこ時代のソルテは、「うちの家内が放牧地への出し入れをしていたくらい大人しくて、ちゃんと言うことを聞いてくれる利口な馬でした。今、いろんなことを思い出していますが、まさかここまで走ってくれるとは思いませんでした」と下村さん。
ソルテはデビューしてから4戦目で2歳重賞ハイセイコー記念を優勝すると、3歳になって初戦のニューイヤーカップも圧勝。南関東クラシック3冠は惜しくも無冠に終わりましたが、それ以降は1400m戦から1600m戦へシフト。
本格化したのは5歳になってからで、金沢の吉原寛人騎手とコンビを組み、川崎マイラーズで古馬重賞を初制覇すると、さきたま杯など重賞タイトルは通算10勝。古馬のダートグレードレースに初挑戦したかしわ記念は、そうそうたる中央馬たちと対戦し、優勝したコパノリッキーの2着だったシーンも印象的でした。地方競馬を背負って走り続けた現役生活。
いつも真面目に一生懸命に走り切ろうとする頑張り屋。デビューした頃は450キロだった馬体重も、最終的には510キロ前後にまでなり、その成長力は目を見張るものがありました。
「子供の頃は大きい方ではありませんでしたが、桐谷茂オーナーをはじめ、育成牧場さん、寺田厩舎の皆さんに大事にして頂いて、徐々に体を大きくしてくださったのもよかったのでしょうね。いい巡り合わせでここまでになってくれたのかなぁと思っています」。
現在は関東近郊の牧場でゆっくり過ごしているソルテ。12月末には大井競馬場で引退式を行う予定で、来春からは種牡馬生活をスタートさせるそうです。
「ここまでよく頑張ってくれて、無事に引退することができてホッとしています。さらに厳しい世界に入っていくと思いますが、自分の生産馬が種牡馬入りするのは初めてなのでうれしいですし、期待をしながら応援していきたいです。ソルテに会いにいきたいです」。現在の下村さんの牧場は、引退した馬たちが悠々自適な毎日を送っているそうです。
ソルテという名前の由来は、ポルトガル語で「幸運を招く」という意味があるそうです。そんな名前の通りに、たくさんの人たちに、夢や希望、感動、幸せをプレゼントしてくれた、約6年に渡る競走生活でした。
(提供:高橋華代子)
高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など