第122回 2018年9月20日 クレイアートビュン
今年、開場70周年を迎えた浦和競馬場では、さまざま企画やイベントが行われています。数多くの浦和の名馬たちが、浦和競馬場をはじめ南関東で走りましたが、近年のファンは『クレイアートビュン』を思い浮かべる方も多いでしょう。
クレイアートビュンは岩手と大井を経由し、2007年から浦和の小久保智厩舎へ。当時は重賞レースには程遠く、下級クラスからコツコツコツコツと走り続けていました。
2008年10月に実施された埼玉新聞栄冠賞で、自身にとっても、開業4年目だった小久保智調教師にとっても、待望の重賞初制覇。今となっては南関東の重賞レースに浦和所属馬が普通に出走していますが、当時は浦和所属馬のいない重賞レースは少なくありませんでした。
しかし、それを打破してくれたのがクレイアートビュンです。小久保厩舎の大将として、浦和の総大将として、南関東を舞台に走り続けました。小柄ですが根性たっぷり、無事是名馬の象徴。現在はNARグランプリ最優秀賞金収得調教師賞や南関東リーディングに君臨し続けている小久保調教師ですが、その名を全国区に押し上げた馬です。
クレイアートビュンは浦和卒業後も、金沢、船橋、兵庫、高知で、161戦を走り、12歳で現役生活に幕を下ろしました。
現在は埼玉県三郷市の乗馬クラブスリーフィールドさんで過ごしていて、小久保調教師の自馬として余生を過ごしています。「(クレイアートビュンには)チャレンジすることやあきらめないこと、人間関係など、いろんなことを教えてもらった。今もつらいことがあると会いにいく。噛みつかれるけど(笑)。いつまでも長生きして欲しいね」(小久保調教師)。
乗馬クラブスリーフィールドの久米知子代表のお話しでは、入厩した頃からとても大人しい馬で、去勢はしていないそうですが牝馬に反応することもないそうです。現役時代と変わらずに、真面目で一生懸命な性格だそう。14歳になりましたが、病気もしたことがない健康体とのこと。この写真を見ても、のんびりまったりくつろいでいて、幸せムードが漂っています。
現役時代も人気者でしたが、今でもファンが会いに来たり、ファンレターや誕生日プレゼントなども届いているそうです。
小久保調教師は、クレイアートビュンを浦和競馬場で誘導馬にさせたいという夢を持っています。今年は開場70周年、来年にはJBCが行われる浦和競馬場で、浦和の功労馬クレイアートビュンが帰ってきたら、私達ファンにとってもこんなにうれしいことはありません!!!
(提供:乗馬クラブスリーフィールド)
高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など