「浅野靖典の全国馬美味(ウマウマ)行脚」地方競馬にまつわる「ウマいもの」を毎月ご紹介!
「“鉄人”佐々木竹見の見解」佐々木竹見元騎手がダートグレード各競走を“鉄人”の目線で鋭く解説!
「高橋華代子の(続)気になるあの馬は…」引退後や転厩した名馬の近況を愛あふれる文章でご紹介!
「REWIND 90's」当時の写真や映像を交えて90年代の名勝負を振り返ります!
「“鉄人”佐々木竹見の見解」佐々木竹見元騎手がダートグレード各競走を“鉄人”の目線で鋭く解説!
「高橋華代子の(続)気になるあの馬は…」引退後や転厩した名馬の近況を愛あふれる文章でご紹介!
「REWIND 90's」当時の写真や映像を交えて90年代の名勝負を振り返ります!
北海道スプリントカップ~マーキュリーカップ(第78回)
北海道スプリントカップJpnⅢ
シゲルカガは、スタートで軽く仕掛けただけで楽に先頭に立ちました。短距離戦は、やはりダッシュ力のある馬は有利です。テンに無理していないぶん、最後まで手ごたえに余裕がありました。北海道に転入初戦のポアゾンブラックは、内の好位をうまく回って、最後は差を詰めています。地方馬として、この路線では楽しみな存在になるでしょう。
1番人気のダノンレジェンドは、向正面で外に出して、4コーナーでもかなり外を回ってきました。ゴール前で一気に差を詰めてきましたが、3着だったのは外々を回ったぶんがあったと思います。力負けではありません。短距離では次もあらためての期待でしょう。
帝王賞JpnⅠ
ホッコータルマエは、スタート後、行く馬がいると見ると、一旦控えて外に持ち出しました。幸騎手は1番枠からでも落ち着いて乗っていました。4コーナー手前では2番手に上がって、あとはクリソライトをとらえるだけという、横綱相撲でした。今年はドバイでも好走しての5着でしたから、自信もあったのでしょう。ムチを入れることもほとんどないままの完勝でした。クリソライトは前半ずっと掛かり気味で2番手の追走でした。3コーナー過ぎで勝負をかけて先頭に立ちました。掛かって行って、早めに仕掛けたにもかかわらず、バテずに3/4馬身差で粘ったのは、やはり力があります。すんなりマイペースで逃げることができれば、もしかして勝っていたかもしれません。
ハッピースプリントは、今回はやや離れて6番手からの追走でした。ホッコータルマエをマークしてという位置取りで、宮崎騎手は落ち着いていました。終いもよく伸びています。このメンバーで3着なら上出来でしょう。
ジャパンダートダービーJpnⅠ
ノンコノユメは、中団よりうしろからの追走でした。3コーナーあたりではかなり外を回してきて、直線を向いたあたりでは、まだちょっともたもたしている感じでしたが、残り200メートルのところからの末脚には驚きました。しかも水の浮く馬場で、あの終いの脚を使うのは普通は無理だと思います。すんなりと先頭に立って逃げたのはクロスクリーガーでした。いいペースで逃げていたし、道中も折り合いがついて、勝ってもおかしくなかったレースです。岩田騎手も自信を持って乗っていたと思います。この馬も強いですが、このレース運びで負けたのでは仕方ありません。
ラッキープリンスは、最後は差をつけられましたが3着でした。東京ダービーの勝ちタイムが2分7秒5で、今回のこの馬のタイムが2分7秒1ですから、この馬の力は出しています。
マーキュリーカップJpnⅢ
ユーロビートは、一時期落ち込んでいましたが、調子が戻って馬もよくなっていました。それにしても吉原騎手はペースを読んで、落ち着いた騎乗でした。スタート後は少しペースが速かったので後方からになりましたが、向正面に入って流れが落ち着いたところで一気に仕掛けていきました。一旦は逃げていたメイショウコロンボの前に出ましたが、そのあとに控えて一息入れました。あそで息を入れたことで、直線追い出されてから伸びる力が残っていました。流れをうまく読んだ判断が圧勝につながりました。2着のソリタリーキングは、道中で脚を溜めたことで、そのぶん最後に伸びてきました。すでに8歳で、しかも今回は1頭だけ58キロでしたが、よく走っていると思います。
佐々木竹見(ささきたけみ)
元川崎競馬所属騎手。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。引退後も2012年3月までNAR地方競馬全国協会参与として後進の指導にあたる等、地方競馬の発展に大きな役割を果たし続けている。