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浦和記念~川崎記念(第81回)

浦和記念JpnⅡ

 リアライズリンクスが1周目のスタンド前でもペースを落とさず2番手以下を離しての逃げになって、ハッピースプリントは2番手のサミットストーンを見る形で、絶好の位置を追走しました。逃げたリアライズリンクスからはかなり離れていましたが、いずれバテるのはわかっていたでしょうから、余裕を持っての追走でした。宮崎光行騎手は、浦和は初めてだったようですが、5月のかしわ記念では4コーナーで外に膨れてしまう場面がありましたが、同じ左回りでも浦和はコーナーがきついですから、今回は気をつけて乗ったと思います。直線でサミットストーンをとらえてという、勝つべくして勝ったレースでした。
 サミットストーンは、ハッピースプリントを負かそうと思えば、この乗り方しかなかったと思います。思い切って先行して、早めに仕掛けて先頭に立って、振りきれるかどうかという競馬をしました。3コーナー過ぎで先頭に立ちましたが、直線ではハッピースプリントに振り切られてしまいました。現状での力は発揮していると思います。
 中央馬ではソリタリーキングが3着でしたが、さすがに今回のメンバーでは地方の2頭が力を発揮しました。

全日本2歳優駿JpnⅠ

 サウンドスカイは、好位に控えて馬群の中を追走していました。さすがに戸崎騎手はコースを知っているだけにそつなく乗っています。4コーナー手前でうしろを振り返って、外に出すところを見極めています。直線でも手ごたえ十分に抜け出しました。一番ロスの少ない競馬をして、戸崎騎手の好騎乗でした。
 レガーロは1コーナーで何頭分も外を回らされて、そのままずっと外々を回ることになって、道中は追い通しでした。直線でも大外に持ち出して、ぐんぐん伸びてきました。勝ち馬とは1馬身半差がありましたが、外々を回ってこなければ、もう少しきわどいレースになったかもしれません。直線でいい脚を使うので、直線の長い大井ならさらに力を発揮するかもしれません。
 アンサンブルライフは内枠のラクテとのハナ争いがどうかと思いましたが、ラクテが控えてくれたので、楽にハナを取ることができました。ただそれで勢いがつきすぎた感じはありました。ただこのメンバーを相手に、3着はよく粘ったと思います。
 トロヴァオは、アンサンブルライフをとらえきれず4着でしたが、最後はよく伸びていました。北海道からの転入初戦でハイセイコー記念を勝っているように、この馬も大井のほうが力を発揮すると思います。これからさらによくなってくると思います。

東京大賞典JpnⅠ

 サウンドトゥルーはほんとうに力をつけてきました。中団からの追走で、ホッコータルマエがコパノリッキーを負かしにいったぶん、レースがしやすかったと思います。それにしてもホッコータルマエをとらえるときは、並ぶ間もなくという勢いで差し切りました。残り100mからの伸びが際立っていました。
 ホッコータルマエは、いつもスタートは抜群です。すぐに控えてしまいましたが、最初からコパノリッキーにプレッシャーをかけていってもよかったと思います。3コーナーでうしろからハッピースプリントが来たタイミングでコパノリッキーに並んで行きました。結果論ですが、あそこでもう少し我慢していれば、最後、サウンドトゥルーに交わされずに踏ん張れていたかもしれません。ただやはりコパノリッキーを負かしに行かなければいけませんから、仕方なかったと思います。
 ワンダーアキュートは、最後にコパノリッキーをとらえて3着でした。3コーナー過ぎで前2頭を深追いしなかったぶん、最後に余力がありました。9歳までよく走りました。
 コパノリッキーは、ホッコータルマエにぴたりとうしろにつかれて、さらに3コーナー過ぎで仕掛けてこられましたから、厳しい展開になりました。先に行ってどこまで粘れるかという脚質ですから、ホッコータルマエと並んでの追い比べになったら分が悪いです。
 ハッピースプリントは3コーナーで思い切って仕掛けて行きました。前の2頭を負かしに行ったと思いますが、タイミング的にはちょっと早かったと思います。

川崎記念JpnⅠ

 ホッコータルマエの幸騎手は、サウンドトゥルーしか相手はいない、ほかの馬は関係ないという乗り方をしました。サミットストーンが緩みのないペースで逃げて、この距離で縦長の展開になるのは珍しいです。幸騎手はスタンド前で、股の間から後ろを見てサウンドトゥルーの位置を確認しています。そしてもう一度、向正面で振り返りますが、その瞬間に内からサウンドトゥルーが並びかけて来た時はびっくりしたのではないでしょうか。それでも交わさせずに、もう一度差を広げました。今回はうしろのサウンドトゥルーを気にしながら溜めるだけ溜めて、並んでの追い比べになったら負けません。
 サウンドトゥルーの大野騎手は、向正面で一気にホッコータルマエをとらえにかかったのは、いい仕掛けだったと思います。ただ3コーナー過ぎでもう一度離されたのは、ホッコータルマエが仕掛けたこともありますが、川崎コースが初めてで、きついコーナーを苦にしたということもあったかもしれません。今回は差し切ることはできませんでしたが、もう一度やれば勝つ可能性はあるでしょう。2頭は、このメンバーでは力が抜けていました。
 アムールブリエも牝馬ながらよく3着に粘りました。こういう長い距離は合うと思います。

佐々木竹見(ささきたけみ)
元川崎競馬所属騎手。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
引退後も2012年3月までNAR地方競馬全国協会参与として後進の指導にあたる等、地方競馬の発展に大きな役割を果たし続けている。