浅野靖典の全国馬美味(ウマウマ)行脚」地方競馬にまつわる「ウマいもの」を毎月ご紹介!
“鉄人”佐々木竹見の見解」佐々木竹見元騎手がダートグレード各競走を“鉄人”の目線で鋭く解説!
高橋華代子の(続)気になるあの馬は…」引退後や転厩した名馬の近況を愛あふれる文章でご紹介!
REWIND 90's」当時の写真や映像を交えて90年代の名勝負を振り返ります!

第45回 2015年6月10日(水) チキンカツランチ(園田競馬場)

園田競馬場
「ミュンヘン」 チキンカツランチ(850円)

店頭のショーケースには多彩なお食事メニューが!
 大阪の夏は暑い。園田競馬場は川が近くにあって、4コーナーには小さな林があるから、市街地より少しは気温が低いと思われるのだが、それもまさに焼け石に水。私が園田競馬場に行った日は、空には雲がほとんどない絶好の競馬日和……というか、暑いんですよ。
 こうなると気分は今年最初の冷やし中華だなあと思い、それがありそうなスタンド2階の「ミュンヘン」に行ってみた。よく、街の食堂の店頭に「冷やし中華、始めました」という紙が貼られていますよね。その文字があることを期待したのだけれど、さすがにまだ早かったらしい。というか、そもそもこの店で冷やし中華を提供しているのか知らないのだけれど。
 でも、店頭にある多彩なショーケースには、魅力的なメニューがいっぱいあった。そしてほとんど瞬間的にチキンカツランチを選択。私はわりとチキンカツが好きなのですよ。ということで食券を買って席に座り、店内のモニターで場内テレビを見ながら5分ほど待機する。午後2時という時間帯だったからか、どうやらカツを揚げるところからスタートしているみたいだ。
 そして到着した「チキンカツランチ」を見て、すこしびっくり。すでにチキンカツの上にデミグラスソースとおぼしき液体が乗っかっているのだ。「○○カツ」ってたいていの場合は、客が自分でソースとかをかける方式になっているはず。しかしミュンヘンではこの姿。ということはつまり、いわゆる洋食屋さんのスタイルってこと?
清潔感がある店内の雰囲気
 さっそくいただいてみると、作りたてのカリカリ感と、深い味わいのデミグラスソースがマッチしていてとても美味。なんだか優雅な気分になれますなあ。最近は洋食屋さんも喫茶店もずいぶん少なくなったけれど、ここは競馬場のなかにありながらも、その雰囲気を十二分に感じさせてくれる。
 と、その味わいに感動しながらパクパク食べていると、おお、レースが始まった。店内のモニターでも見られるけれど、窓越しにあるパドックの大画面で観戦するほうが競馬場っぽい。
 この店内には、高度成長期に園田競馬場が人で埋まりつくした時代の記憶が刻まれているのだろうなあ。これから先もファンを迎え続けてもらいたいと思える名店だ。
浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。

※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。