当コーナーでは、地方競馬に関するイベントや注目レース等の気になる話題を写真と共にご紹介します。

第59回東京大賞典(GⅠ) 参考レース&注目馬解説

2013年12月26日
第59回東京大賞典(GⅠ)
2013年12月29日(日)大井競馬場 2,000m
(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

東京大賞典GⅠ(12年12月29日|大井)
 1着ローマンレジェンド
 3着ワンダーアキュート
 これが引退レースとなったフリオーソがレースを引っ張り、スタートでつまづいたエスポワールシチーは後方から。それゆえ1000メートル通過が62秒1、後半も平均ペースのままハロンごとのラップは12秒を切ることがなく、やや離れた5番手を追走していたローマンレジェンドが直線を向いて先頭へ。これに迫ったのがワンダーアキュートで、一旦は前に出る場面もあったが、ローマンレジェンドが差し返して勝利。ラチ沿いを伸びてきたハタノヴァンクールが半馬身差の2着に入り、ワンダーアキュートはアタマ差で3着だった。

帝王賞JpnⅠ(13年6月26日|大井)
 1着ホッコータルマエ
 2着ニホンピロアワーズ
 3着ワンダーアキュート
 6着ローマンレジェンド
 11着トウホクビジン
 逃げ馬不在で、ハナに立ったのは3番枠からのスタートだったワンダーアキュートで、ニホンピロアワーズ、ローマンレジェンドと差なく続いた。1000メートル通過が62秒4で、前年の東京大賞典と同じように前半はゆったり流れた。しかし後半は11秒台のラップが3回と一気にペースアップ。これで追走一杯になったのがローマンレジェンド。直線を向いてもワンダーアキュートが先頭で、ニホンピロアワーズが並びかけ、5番手から直後に迫っていたホッコータルマエも加わって3頭の叩き合いに。残り100メートルを切ってホッコータルマエが抜け出して勝利。ニホンピロアワーズが食い下がったものの1馬身差で2着。勢いが鈍ったワンダーアキュートが1馬身半差3着で、遅れたローマンレジェンドは6着だった。

JBCクラシックJpnⅠ(13年11月4日|金沢)
 1着ホッコータルマエ
 2着ワンダーアキュート
 1番枠に入ったホッコータルマエが逃げ、サイモンロードがぴたりと2番手、ワンダーアキュートはその外を追走した。ホッコータルマエが向正面でペースアップすると、サイモンロードは後退。ワンダーアキュートは懸命に追いかけたものの、並びかけることができず。直線ではホッコータルマエが差を広げ、2馬身差をつけてコースレコードでの勝利。ワンダーアキュートは直線でソリタリーキングに迫られものの、ハナ差で振りきって2着を確保した。

ジャパンカップダートGⅠ(13年12月1日|JRA阪神)
 2着ワンダーアキュート
 3着ホッコータルマエ
 5着ニホンピロアワーズ
 13着ローマンレジェンド
 逃げたエスポワールシチーの直後を追走したホッコータルマエが直線を向いて単独先頭に。これを目標に中団から追い出されたワンダーアキュートが一気に迫ってとらえたものの、それを上回る瞬発力を発揮したベルシャザールがゴール前で抜け出して勝利。ワンダーアキュートはクビ差及ばず2着。1番人気のホッコータルマエも粘ったものの半馬身差で3着。ニホンピロアワーズはホッコータルマエの直後を追走したものの、直線伸びず5着。2番人気のローマンレジェンドは中団の内を進んだものの見せ場なく13着だった。

東京記念(13年11月16日|大井)
 1着プレティオラス
 プレティオラスは互角のスタートを切ったものの、ゆったりした流れのなか、このときも定位置ともいえる縦長の最後方から。4コーナーでもまだ後方2番手という位置取りだったが、外に持ちだされると直線大外から一気の伸び。直線半ばで先頭に立っていたスターシップを残り100メートルのあたりでとらえると、さらに突き放して3馬身半差をつける完勝となった。



<注目馬解説>

ワンダーアキュート(JRA)
 東京大賞典は4年連続の出走。10年はスマートファルコンの10着だったが、11年は逃げ込みを図るスマートファルコンにゴール前で迫り、とらえたかにも見えたが惜しくもハナ差で2着。そして昨年のJBCクラシックでは、5カ月半ぶりの休み明けながら直線突き抜け、2着のシビルウォーに5馬身差をつける圧勝でJpnⅠ初制覇となった。その後は東京大賞典3着など、GⅠ/JpnⅠを中心に使われてここまで3着を外さない堅実な成績。前走ジャパンカップダートもほとんど勝ちに等しい内容での2着で、ジャパンカップダートは3年連続で2着。馬体重の変動が大きい馬で、500キロから520キロを少し超えるくらいまでなら問題ない。10年以降、毎年秋は3戦目が東京大賞典だったが、今年はこれが4戦目。激戦の疲れがないかどうか。


ホッコータルマエ(JRA)
 今年前半は佐賀記念から帝王賞まで5連勝と、このダート中長距離路線の最大の上がり馬。マイルチャンピオンシップ南部杯はエスポワールシチーの逃げに1馬身半差及ばず2着に敗れたものの、JBCクラシックは自身初の逃げの手にでて、直線では後続を振り切って勝利。前走ジャパンカップダートは直線で早めに抜け出したぶん、後続に目標にされた。とはいえ勝ち馬からクビ+1/2馬身差での3着。3歳時のジャパンダートダービー5着以降、13戦連続で3着以内という堅実ぶりも光る。


ニホンピロアワーズ(JRA)
 昨年のジャパンカップダートを制してダートの頂点に。今年初戦となったアンタレスステークスはホッコータルマエとの直線での叩き合いに3/4馬身差で敗れたものの、続く平安ステークスは断然人気にこたえて勝利。帝王賞でもホッコータルマエと競り合って1馬身差で2着に敗れた。休み明けのジャパンカップダートは直線伸びを欠いて5着に敗れたが、そこをひと叩きした上積みと、帝王賞で一度経験した大井の舞台で、昨年のジャパンカップダート以来のGⅠタイトルを狙う。


ローマンレジェンド(JRA)
 GⅠ初制覇となった昨年の東京大賞典の勝ちタイム2分5秒9は、東京大賞典が2000メートルになった98年以降、09年のサクセスブロッケンと同タイムでもっとも遅いもの。過去20年の帝王賞との比較でももっとも遅いタイム。それゆえ今年の帝王賞はホッコータルマエの2分3秒0という勝ちタイムで6着。ペースが上がった後半から追走一杯だった。前走、ジャパンカップダートでも13着だったように、緩みのないペースになると厳しい。ゆったりレースが流れて時計のかかる決着になれば勝機を見いだせる。


サトノプリンシパル(JRA)
 中央5頭のうち4頭にGⅠ/JpnⅠ勝ちの実績があるが、本馬はレパードステークス2着までという実績。今年のダート中長距離のGⅠ/JpnⅠ戦線は、先のジャパンカップダートを最後に引退したエスポワールシチー以外は有力馬にこれといった逃げ馬がなく、レースごとに、枠順によって逃げ馬が変わるという状況。今回、おそらくこの馬が逃げるのは間違いなく、どこまで粘れるかだが、この馬のペースによって有力4頭の争いにも影響を与えそう。


プレティオラス(大井)
 東京ダービーを制したあと不振に陥ったが、今年叩き2戦目となった8月のA2特別を勝ってきっかけを掴むと、東京記念では最後方から大外一気というこの馬の持ち味を発揮して完全復活をアピール。前走勝島王冠は末脚不発で8着に敗れたが、これは明らかに距離不足。昨年3歳時に2度出走したダートグレードでは結果を残せておらず、一線級相手のここでも苦戦が予想されるが、末脚が生かせる展開になったときにどこまで前に迫れるか。



12年東京大賞典GⅠ ローマンレジェンド(撮影:いちかんぽ)

文・構成:斎藤修(サイツ)



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(12月17日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。