当コーナーでは、地方競馬に関するイベントや注目レース等の気になる話題を写真と共にご紹介します。
第26回マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnⅠ) 参考レース&注目馬解説
2013年10月11日
第26回マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnⅠ)
2013年10月14日(祝・月)盛岡競馬場 1,600m
2013年10月14日(祝・月)盛岡競馬場 1,600m
(出走表はこちらをご覧ください)
<参考レース>
■フェブラリーステークス(13年2月17日|JRA東京)
1着グレープブランデー2着エスポワールシチー
4着セイクリムズン
ハナを切ったのはタイセイレジェンドだが、ぴたりと2番手を追走したエスポワールシチーが楽な手ごたえのまま直線で先頭に立った。エスポワールシチーがそのまま押し切るかにも思えたが、中団の内を追走していたグレープブランデーが、直線で外へ外へと持ち出すと、ゴール前一気に伸びて差し切った。エスポワールシチーは3/4馬身差で2着。ワンダーアキュートも末脚するどく伸びてクビ差3着。後方から直線ラチ沿いを伸びてきたセイクリムズンが3/4馬身差で4着に入った。
■かしわ記念JpnⅠ(13年5月6日|船橋)
1着ホッコータルマエ2着エスポワールシチー
5着セイクリムズン
エスポワールシチーが逃げ、ピエールタイガー、ナイキマドリードら南関東勢が追走し、ホッコータルマエは4番手から。直線でもエスポワールシチーが先頭だったが、3コーナー過ぎで直後につけていたホッコータルマエが残り100メートルでとらえると、突き放して勝利。エスポワールシチーは1馬身半差2着。中団を追走したセイクリムズンは見せ場をつくれず、勝ち馬からは7馬身ほど離されての5着だった。
■帝王賞JpnⅠ(13年6月26日|大井)
1着ホッコータルマエ11着トウホクビジン
JRA勢は出走6頭すべてがGI/JpnI勝ち馬という、ダートの上半期総決算にふさわしいレベルの高い一戦は、水の浮く不良馬場。これといった逃げ馬がなく、このレースから武豊騎手に乗替ったワンダーアキュートが先頭に立ち、ニホンピロアワーズが直後の2番手で、ホッコータルマエは5番手から。直線を向いてもワンダーアキュートが先頭だったが、3~4コーナーで位置取りを上げてきたホッコータルマエと、ニホンピロアワーズが馬体を併せて交わしにかかると2頭の一騎打ちに。残り100メートルあたりからホッコータルマエがじわじわと前に出て、ニホンピロアワーズに1馬身差をつけての勝利となった。
■プロキオンステークス(13年7月7日|JRA中京)
1着アドマイヤロイヤル2着セイクリムズン
14着セイカアレグロ
内枠から好スタートを切ったセイクリムズンは控えて5番手、アドマイヤロイヤルはそのうしろの集団の中団から。直線の追い比べでアドマイヤロイヤルが馬群の中から抜け出し、ラチ沿いからセイクリムズンも同じような脚色で伸びてきたが、アドマイヤロイヤルがこれをクビ差で振り切りコースレコードでの勝利。金沢から遠征したセイカアレグロは勝ち馬と同じような位置を追走していたが、直線でついていけず14着だった。
■トレノ賞(13年7月21日|高知)
1着エプソムアーロン8着コスモワッチミー
1番人気に支持されたエプソムアーロンは、3番手追走から3コーナー手前で軽く追い出されると、一気に先頭へ。2番手以下の馬たちとの手ごたえの差は歴然で、直線で追われるとそのまま差を広げ、接戦の2着争いを尻目に楽勝のゴール。2番人気コスモワッチミーはエプソムアーロンの直後4番手を追走したものの、向正面から追いどおしで徐々に置かれ8着だった。
■青藍賞(13年9月16日|水沢)
1着ロッソコルサ2着ドリームクラフト
4着トーホクキング
8着コスモフィナンシェ
中団うしろを追走していたドリームクラフトが3コーナーから一気に外をまくると直線を向いて先頭へ。4番手の内を追走していたロッソコルサが外に持ちだしてこれをとらえにかかると、1馬身交わしきったところがゴール。前走すずらん賞を制して1番人気に支持されたコスモフィナンシェは3番手の外を追走したものの、向正面から手ごたえが怪しくなり8着だった。
<注目馬解説>
● エスポワールシチー(JRA)
昨年7歳でも、かしわ記念、南部杯とJpnI・2勝を挙げ、ここまでGI/JpnIは通算で7勝。昨年の南部杯以来勝ち星がないとはいえ、フェブラリーステークスでグレープブランデーに3/4馬身差2着、かしわ記念でもホッコータルマエの2着と、8歳になった今年もまだまだ衰えを知らない。盛岡で行われた南部杯には3回出走して2勝、2着1回。06~08年に3連覇を果たしたブルーコンコルドに並ぶ、南部杯3勝目がかかる。
● グレープブランデー(JRA)
11年の3歳時にジャパンダートダービーを制したが、その後の放牧中に骨折。4歳になって復帰するも、オープン特別で1勝を挙げたのみで低迷した。しかし今年初戦となった東海ステークスでは2着のナムラタイタンに3馬身差をつけ復活を思わせる勝利。この時3着だったのがホッコータルマエ。続くフェブラリーステークスでは中団から差し切って勝利。2着のエスポワールシチーには3/4馬身差だが着差以上の強さを見せた。しかしレース後に剥離骨折が判明し、今回はそれ以来の復帰戦。すでに1カ月以上、栗東の坂路で乗り込まれており、どこまで仕上げられているか。
● セイクリムズン(JRA)
黒船賞からさきたま杯までダートグレード4連勝の快進撃を見せた昨年は、ダート短距離の頂点に立つのは確実かと思われた。JBCスプリントでは1番人気に支持されたものの、タイセイレジェンドに3馬身ちぎられての2着。昨年秋以降の勝ち星は今年の黒船賞のみだが、それでもフェブラリーステークスはなぜか最低人気にもかかわらず、勝ったグレープブランデーからコンマ3秒差の4着と好走。ここ2戦、さきたま杯、プロキオンステークスと、ともに僅差の2着と好走している。「年を重ねてズブくなってきているので、広いコースの1400~1600くらいのほうが…」という服部調教師だが、ここまでマイル以上での勝ち星はない。
● ダイショウジェット(JRA)
11年のオーバルスプリント以来勝ち星から遠ざかっているものの、地方のダートグレードでは確実に上位に入着している。昨年の南部杯では早め4番手を追走し、勝ったエスポワールシチーに4馬身差の2着と好走。9歳にして、GI/JpnIでの自身最高着順だった。今年は黒船賞でセイクリムズンにクビ差の2着があるものの、馬券にからんだのはそれだけ。さすがに10歳では上積みはないが、流れや展開次第では昨年のような好走も。
● ホッコータルマエ(JRA)
JRA勢6頭ではもっとも若い唯一の4歳馬。佐賀記念にはじまり、かしわ記念、帝王賞と、JpnI・2勝を含めダートグレード5連勝中で、この路線最大の上がり馬。帝王賞では、昨年のJRAダートチャンピオン・ニホンピロアワーズを直線一騎打ちの末にしりぞけた。地方でも中央でも、右回りでも左回りでも、そして帝王賞では初めての不良馬場も問題なくこなし、ダート1600~2000メートルの距離でさまざまな条件を克服してきた。盛岡コースは初めてになるが、秋のダートGI/JpnI戦線の初戦でどこまで仕上げてくるか。
● アドマイヤロイヤル(JRA)
昨年の南部杯ではエスポワールシチーから10馬身ほど差をつけられての3着と力の差があった。しかし今年は春先にダートのオープン特別で2着、2着のあと、東京ダート1400メートルの欅ステークスでオープン初勝利。さらにプロキオンステークスでは、中団追走から直線で抜群のキレを見せレコード勝ち。ここにきての充実ぶりは確かなものがあり、GI/JpnI勝ち馬が3頭いるというメンバーに入ってどこまで上位に食い込めるか。
● エプソムアーロン(兵庫)
JRAのダートオープンで2着という実績があり、大井を経由して移籍した高知では、遠征も含め重賞3勝など負けなしの6連勝。高知では、昨年に続いて調教師の全国リーディングトップを独走中の雑賀正光調教師が管理。ご子息である兵庫の雑賀伸一郎厩舎に移籍して初戦となったA1A2も勝利と、目下7連勝中。その後、軽い怪我があって予定していた一戦を使えなかったが、その影響はないとのこと。南部杯挑戦は、当初からの予定通り。
● グランシュヴァリエ(高知)
10年の南部杯では、直線を向いて先頭に立ちかけるあわやのシーンがあっての3着。2着のエスポワールシチーからは2馬身差で、JRA勢上位独占の一角を崩した。近年の南部杯は圧倒的にJRA勢が強く、ここ5年で地方馬が3着以内に入っているのはそのときのグランシュヴァリエだけ。昨年末には高知県知事賞で大差圧勝。今年も中央相手の佐賀記念こそ5着だったが、地方馬同士では遠征も含めて3着以内を外していない。今回は3着に好走したとき以来、3年ぶりの南部杯となる。
● コスモワッチミー(高知)
昨年高知で8連勝のあと、年末の兵庫ゴールドトロフィーで4着。さらに年が明けて黒船賞でも4着とJRA勢相手に好走。そして前々走のサマーチャンピオンでは3着と、ダートグレードで初めて馬券にからんだ。とはいえこれまでのダートグレードでの好走は、JRA勢と斤量差があってのもの。今回は一線級相手の定量57キロでどこまでやれるか。
12年マイルチャンピオンシップ南部杯JpnⅠ エスポワールシチー号
文・構成:斎藤修(サイツ)
※ 当コンテンツの内容は、編集時点(10月11日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。
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