当コーナーでは、地方競馬に関するイベントや注目レース等の気になる話題を写真と共にご紹介します。

第36回帝王賞(JpnⅠ) 参考レース&注目馬解説

2013年06月24日
第36回帝王賞(JpnⅠ)
2013年6月26日(水)大井競馬場 2,000m
(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

東京大賞典GⅠ(12年12月29日|大井)
 1着ローマンレジェンド
 2着ハタノヴァンクール
 3着ワンダーアキュート
 8着フォーティファイド
 これが引退レースとなったフリオーソが逃げるも、直線を向いて後退。直線では中央勢同士の争いとなり、まず先頭に立ったのがローマンレジェンド。ワンダーアキュートが外から並びかけ、一瞬前に出る場面もあったが、ローマンレジェンドがもうひと伸びして勝利。ラチ沿いから伸びてきたハタノヴァンクールがワンダーアキュートを交わして2着に入った。上位3頭は、1/2馬身、アタマ差の接戦で、4着には7馬身差がついた。

川崎記念JpnⅠ(13年1月30日|川崎)
 1着ハタノヴァンクール
 2着ワンダーアキュート
 8着トウホクビジン
 1周目のスタンド前でペースが落ち着き、ワンダーアキュートは2番手、ハタノヴァンクールは3番手を追走した。向正面でグラッツィアが先頭に立ってペースアップ。そして3~4コーナーからの追い比べは、一瞬早く仕掛けたハタノヴァンクールが、1番人気のワンダーアキュートに並びかけさせず、半馬身差で振り切った。勝ちタイム2分15秒4は、02年(勝ち馬リージェントブラフ)の2分16秒2以来の遅いタイム。

かしわ記念JpnⅠ(13年5月6日|船橋)
 1着ホッコータルマエ
 3着ローマンレジェンド
 4着テスタマッタ
 エスポワールシチーが逃げ、ピエールタイガー、ナイキマドリードら南関東勢が追走し、ホッコータルマエは4番手から。直線でもエスポワールシチーが先頭だったが、ホッコータルマエがとらえ、突き放して勝利。1番人気ローマンレジェンドは中団を追走したが直線伸びあぐねて3着。道中かかるところを見せたテスタマッタは、ローマンレジェンドをとらえきれず4着まで。

大井記念(13年5月15日|大井)
 1着フォーティファイド
 4着トーセンルーチェ
 7着ピサノエミレーツ
 1番人気フォーティファイドは、スタート後は中団うしろだったが、ペースが遅いと見るや御神本訓史騎手は早めに位置取りを上げ、2コーナーあたりで先団にとりつき、3コーナーでは先頭に立った。直線を向いて追い出されると、後続との差をみるみる広げ、3頭接戦の2着争いに10馬身差をつける圧勝となった。人気を分けたトーセンルーチェは、中団から直線追い上げて2着争いに加わったものの4着まで。

平安ステークス(13年5月18日|JRA京都)
 1着ニホンピロアワーズ
 5着ハタノヴァンクール
 59キロを背負ったニホンピロアワーズは、最内枠から好スタートも控えて3番手から。ハタノヴァンクールはそのうしろ、中団を追走した。直線を向いて楽な手ごたえで先頭に立ったニホンピロアワーズは、後続に迫られるも振り切って勝利。道中で鞍上の手が動きっぱなしだったハタノヴァンクールは持ち味の末脚を発揮することができず5着まで。

さきたま杯JpnⅡ(13年5月29日|浦和)
 1着テスタマッタ
 9着スーニ
 スタート後の直線で前4頭が競り合ってハイペース。テスタマッタはやや出遅れて、後方からとなった。しかし最内枠のテスタマッタは戸崎圭太騎手が外に持ち出し、向正面から徐々に進出すると、直線で先頭に立っていたナイキマドリードを交わし去り、ゴール前迫ったセイクリムズンを半馬身差で振り切った。中央から船橋への転厩初戦となったスーニは、プラス14キロの馬体増もあり、見せ場をつくれず。



<注目馬解説>

フォーティファイド(大井)
 中央準オープンから昨年大井に移籍。南関東では3着を外さない堅実な成績で、東京大賞典GⅠに挑戦したが8着。しかしこれまで南関東で3着を外したのはそれだけで、今年は4戦して3勝、2着1回。特に重賞初制覇となった前走大井記念は直線独走となって2着に10馬身差をつける圧勝。今年8歳だが、充実ぶりがうかがえるだけに、強力な中央勢を相手にどんなレースを見せるか。

ハタノヴァンクール(JRA)
 ダートでは無敗のまま昨年のジャパンダートダービーJpnⅠを制し、今年は川崎記念JpnⅠでも勝利。しかしその間には惨敗もあり、展開や流れに左右されるタイプ。両JpnⅠ勝ちはともにスローペースで、その流れに業を煮やして動いた馬がいて、それを目標に瞬発力勝負で勝利をもぎ取った。楽に追走できるペースから一瞬の切れ味勝負に持ち込めるかどうか。逆に前走平安ステークスGⅢのように、淀みなく流れて追走一杯になると厳しい。

ワンダーアキュート(JRA)
 一昨年のジャパンカップダートGⅠではトランセンドの2着。続く東京大賞典GⅠでもスマートファルコンをゴール前で追い詰めながらもハナ差2着と、惜しいところでビッグタイトルを逃してきた。しかし昨年のJBCクラシックJpnⅠは5カ月半ぶりの休み明けながら、直線あっという間に他馬を置き去りにして、6歳にしてJpnⅠ初制覇となった。その後の4戦は勝ち切れないまでも、いずれもGⅠ/JpnⅠで2着3着を確保。今回は武豊騎手との初コンビで臨む。

スーニ(船橋)
 JBCスプリントJpnⅠでの2勝などダートグレード9勝の活躍馬だが、昨年以降勝ち星から遠ざかり、この春、船橋・川島正行厩舎に転厩。その初戦となったさきたま杯JpnⅡは馬体増もあり見せ場をつくれなかったが、そこを叩いて変わってくるかどうか。ただ、2000メートルは3歳時のジャパンダートダービーJpnⅠ(6着)以来約4年ぶりとなるだけに、期待より不安のほうが大きい。

ローマンレジェンド(JRA)
昨年、エルムステークスGⅢ、みやこステークスGⅢと連勝して1番人気で臨んだジャパンカップダートGⅠは、乗替りもあって4着に敗退。しかし初めての地方でのレースとなった東京大賞典GⅠでは、ハタノヴァンクール、ワンダーアキュートらの追撃を振り切って勝利。それ以来の復帰戦となったかしわ記念JpnⅠは、休み明けの上に初めてのマイル戦で直線伸びが見られず3着まで。昨年末に制した大井2000メートルの舞台であらためてJpnⅠ獲りに賭ける。

ホッコータルマエ(JRA)
 昨年3歳時のタイトルはレパードステークスGⅢのみだが、重賞ではたびたび接戦の上位争いに加わり、その相手がハタノヴァンクール、ローマンレジェンド、ニホンピロアワーズらゆえ、それなりの力は示していた。今年は1月の東海ステークスGⅡで3着のあと、除外対象だったフェブラリーステークスGⅠを断念して佐賀記念JpnⅢに矛先を変えると、そこから4連勝でかしわ記念でのJpnⅠ制覇まで駆け上がった。昨年より確実に力をつけている。

テスタマッタ(JRA)
 昨年のフェブラリーステークスGⅠが、3歳時のジャパンダートダービーJpnⅠ以来2年以上ぶりのGⅠ勝ち。その後は再び勝ち切れないレースが続いていたが、前走さきたま杯JpnⅡで1年3カ月ぶりの勝利。課題は折り合い。昨年のJBCクラシックJpnⅠや、前々走のかしわ記念JpnⅠでは折り合いを欠いて力を発揮できず。さきたま杯は前が競り合って速い流れとなり、楽に追走して直線で末脚を発揮した。今回もある程度レースが流れて折り合いがつけば出番はある。

ニホンピロアワーズ(JRA)
 昨年のジャパンカップダートGⅠは、好位追走から2着のワンダーアキュートに3馬身半の決定的な差をつける完勝でGⅠのタイトルをモノにした。それを含めて、昨年5月の東海ステークスGⅡから6戦連続連対中。ここ2戦のアンタレスステークスGⅢ、平安ステークスGⅢは、ともに59キロ背負わされながらの好走で、安定して力を発揮している。今回はジャパンカップダート上位馬との再戦で、舞台が大井に変わってどんなレースを見せるか。

トーセンルーチェ(船橋)
 フリオーソの半弟として注目され、中央から船橋に移籍後に南関東の重賞を3勝。昨年のダイオライト記念JpnⅡでは、ワンダーアキュートや兄のフリオーソに先着しての3着もある。今年2月の金盃では、フォーティファイド、スターシップとの大接戦を制した。前走大井記念は、直前のレースで鞍上が落馬したことによる急きょの乗替りもあって4着。昨年の帝王賞JpnⅠは地方最先着の6着で、今年は中央勢の一角崩しを狙う。


2012年帝王賞 ゴルトブリッツ号 (Photo:いちかんぽ)

文・構成:斎藤修(サイツ)



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(6月24日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。