第10回 結果がすべて、勝つことがすべて

(当コラムは、東京スポーツグループ各紙2月11日掲載分より転載したものです)
 大井所属の吉井竜一騎手のインタビューを読んで思わずため息が出ました。
 「どんな世界でも同じで、『自分はこれだけやりました』という努力は当たり前で通用せず、勝つためだけにどんなに苦しい思いをしてでも頑張る。」という部分です。
 華やかに見える騎手には、成長期の減量の厳しさ、レースに乗らないことには生活ができないという現実があります。そこには私たちにも少し似通ったところがあって、ステージに立つための見えない努力、続けるために結果を出さなければならない苦しみなどを経験してきたので、何となくですが分かります。
 ところで、主役の馬や騎手の華やかな舞台を大きく支えるお仕事の一つである調教師さんはどうなんでしょう。
 騎手は調教師を「先生」と呼んでいます。それは、私たちにとって一番頼っているプロデューサーさんのような存在、すなわち48ファミリーからすればちょうど秋元康先生にあたるのでしょうか…。
 「自分の厩舎の馬たちにひとつでも多く勝たせたい」「怪我はさせたくない」「でもやる以上は勝たなければ意味がない」という思いから、馬のことで何もしない日などないという調教師さんたち。勝つ瞬間が好きで、勝った瞬間には次のことを考えているという彼らは、まるで次々に仕事を成功させる敏腕プロデューサーのように思えます。
 馬と騎手の個性に合わせて最高のタッグを組ませ、大ブレイクさせるためにそれぞれに合ったレースに出走させる。時には馬主さんの希望があって決まるものもあるけども、一番身近で自分たちを理解してくれる調教師さん。
 スター馬や騎手にファンができるのは調教師の方たちがいるからなんだなと強く思いました。私たちももっとスタッフに感謝しないとなぁ…
近藤さや香(こんどうさやか)
 1984年4月1日生まれ、愛知県出身。SDN48の1期生メンバー。
 小学校2年生から高校卒業までアメリカで暮らしていたため英語が堪能で、AKB48の海外公演では通訳として帯同したこともある。落ち着きのある低音ボイスが特徴。


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