第6回 ファンファーレに高まりなるっ

(当コラムは、東京スポーツグループ各紙12月17日掲載分より転載したものです)
 私が競馬場で一番ワクワクするのは、ゴールの瞬間と、レース前のファンファーレを聞いている瞬間です。競馬場によっては、重賞レースでの生演奏がますます気分を盛り上げてくれますよね。
 私はファンファーレといえば大井競馬の「ファファファ、ファーファーファー♪」という低音のものを思い出しますが、実は競馬場によって個性があって面白いんです。
 川崎競馬のそれは、まるで映画のオープニング。名古屋競馬は、すがすがしい朝を思わせるよう。園田競馬は、ハイテンポで、聞くだけで楽しくなってしまいます。
 パドックで目をつけた馬の本馬場入場を待ち、返し馬の様子を見ては期待と不安で胸がドキドキ…。そしてゲート入りが進み、ファンファーレが響くと、歓声が上がり、場内は拍手に包まれます。「どんなレースが繰り広げられるのかな?」「自分の応援している馬に頑張ってもらいたい!」などという気持ちでいっぱいになり、いよいよスタート!
 もちろんゴールの瞬間もいいけれど、レース前の高揚感がたまらなく好きなのです。
 見ている私たちの気持ちを高めてくれるファンファーレ。それは、私たちSDN48のライブのオープニングで必ず流れる序曲、オーバーチュアと似ているような気がします。マイクを持ってスタンバイし、オーバーチュアが流れると、それだけで背筋がピンと伸び、自分の中でスイッチがオンになるのです。
 場内にファンファーレが響く時。それは、馬と、騎手と、見ている私たちの気持ちがひとつになる瞬間だからこそワクワクするのかもしれません。
津田麻莉奈(つだまりな)
 1987年6月6日生まれ、奈良県出身。SDN48の2期生メンバー。
 SDN48加入前は雑誌の読者モデルや日本テレビ系「恋のから騒ぎ」の15期生としても活躍。現役アイドルでありがなら、目標は放送作家。


地方けいばにハマりなるっ