3歳秋のチャンピオンシップの日程が全体的に前倒しになったことで、笠松の岐阜金賞から5日後という日程。それゆえ笠松からの出走はなく、兵庫からの遠征が2頭で、あとは地元馬というメンバー。
デビューから11連勝で東海ダービーを制したエムエスクイーンは、前走、古馬と初対戦となった名港盃で8着に敗れたとはいえ、同世代同士なら負けられない一戦。ほかの地元勢には重賞勝ち馬がなく、単勝1.2倍の断然人気に支持された。笠松のゴールドジュニアを制し、地元の兵庫ダービーで3着に入ったオオエフォーチュンが唯一相手と目され単勝5.0倍。以下はコマガイムと兵庫のユノートルベルが19倍台という極端なオッズが、実績の違いを表していた。
1番枠に入ったエムエスクイーンが予想されたとおりの逃げで、すぐに隊列が決まった。競りかけてくる馬もなく、ペースを落とせるだけ落とそうという逃げ。ユノートルベルが2番手で、マイネルカピターノ、マイネルシウン、オオエフォーチュンまでが一団で、勝負になりそうなのはここまで。
エムエスクイーンは3コーナーからほとんど仕掛けることなく後続との差を広げ、4コーナーでは今井貴大騎手がうしろを振り返った。懸命に追走したのは兵庫の2頭。エムエスクイーンは余裕の勝利かに思えた。
ところが直線、ムチを入れても意外に伸びがない。むしろ直線の伸びが目立ったのはオオエフォーチュンで、徐々に前との差をつめた。しかしエムエスクイーンは楽にレースをすすめられたぶんの貯金は大きく、1馬身半差で振り切り名古屋三冠達成。4馬身離れての3着がユノートルベルで、そのうしろはバラバラの入線となった。
なんとかならなかったか、という表情はオオエフォーチュンの山田雄大騎手。「あの馬(エムエスクイーン)を負かすには、自分が内に入って外に置くか、あの馬より前にいるかだと思うんです。ただ内にはマイネルカピターノがいたし、自分のは差し馬なので前には行けない。たとえばマイタイザンみたいな逃げ馬がいてハナを叩いてくれればまた違ったんでしょうけど、展開的に厳しかったですね」。オオエフォーチュンにとってはアウェーでもあり、完全にエムエスクイーンの術中にはまったレースだった。
気になるエムエスクイーンの今後だが、馬主の意向もあり、遠征は考えていないとのこと。「西日本ダービーが金沢だったら行ってもよかったんですが、今年は高知で、しかも間隔もない(中12日)でしょう」と竹下直人調教師。今後は地元で再び古馬との対戦となるようだ。
Comment
今井貴大 騎手
前回が残念な結果だったので、巻き返すことができてよかったです。予定通りハナに行くつもりで、道中の手応えはありましたし、安心して乗っていました。動いてくるのはオオエフォーチュンだと思っていたので、やっぱり来たかと思いました。最後は止まってしまいましたが、なんとか逃げ切れました。
竹下直人 調教師
3歳馬同士なので自信はありました。ただ3~4コーナーで後続を離して、そのままかなと思ったけど、そうも簡単にはいきませんでした。ただ最後はよく辛抱してくれました。次はまったく未定です。名古屋で12月の初めくらいまで大事に使って、冬はあまりよくないので休ませることになると思います。