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3歳秋のチャンピオンシップ2019

本シリーズは、各地の3歳主要重賞競走を戦った有力馬が10月に実施されるダービーグランプリへと集結し、地方競馬の3歳王者の座を競うもので、以下のカテゴリーに応じてボーナス賞金(馬主)が設けられています。また、本年から3歳馬の秋後半の古馬との対戦をより促すため、シリーズ全体の実施時期を前倒ししております。

今年から本シリーズに加わる8月1日の王冠賞を皮切りに3歳王者を目指す戦いがスタートします。

充実の秋、成長の秋、飛躍の秋など競走馬にとって大きな意味合いを持つ「3歳秋」を舞台に繰り広げられる熱戦にどうぞご期待ください。

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レース名 実施日 競馬場 距離
王冠賞 8月1日(木) 門別 1,800m
黒潮盃 8月14日(水) 大井 1,800m
岐阜金賞 8月29日(木) 笠松 1,900m
黒潮菊花賞 9月1日(日) 高知 1,900m
ロータスクラウン賞 9月1日(日) 佐賀 2,000m
秋の鞍 9月3日(火) 名古屋 1,800m
戸塚記念 9月4日(水) 川崎 2,100m
園田オータムトロフィー 9月5日(木) 園田 1,700m
サラブレッド大賞典 9月8日(日) 金沢 2,000m
不来方賞 9月16日(祝月) 盛岡 2,000m
西日本ダービー 9月16日(祝月) 高知 1,900m
■ダービーグランプリ 10月6日(日) 盛岡 2,000m
  • 第16回
  • ロータスクラウン賞

9.1 (日) 佐賀 2,000m

余裕の手応えで直線抜け出す
 史上3頭目の佐賀三冠達成

3歳秋のチャンピオンシップ、カテゴリーCのロータスクラウン賞。今年は他の多くのシリーズ競走と同様に開催時期が繰り上がり、2004年の創設から第4回までの8月下旬とほぼ同じ時期の開催に戻ってくることなった。

佐賀のここまでの3歳重賞では、春に行われた一冠目・佐賀皐月賞、二冠目・九州ダービー栄城賞を勝ったスーパージンガが重賞4勝(他、古馬重賞1勝)で圧倒し、三冠達成をかけてロータスクラウン賞に出走。一方、九州ダービー栄城賞2着のムーンパスノキセキや、重賞未出走ながら6戦5勝のムーンヴィグラスはここへ出走しなかった上、四国・九州地区交流戦ではあるが、黒潮菊花賞(高知)と同日の開催となり高知勢の登録もなかった。そのため、スーパージンガに不安要素なしと見られ、単勝は佐賀皐月賞(1.1倍)、九州ダービー栄城賞(1.2倍)を上回る支持を集め、元返し(1.0倍)となった。

好スタートを決めたニュールックを内からテイエムヒッパシレが抜いてハナを奪い、オーチンハラショウとスーパージンガが3、4番手につけて、単勝人気上位4頭が先行馬群を形成。2コーナーでスーパージンガの位置取りが一旦は下がったが、そこから外に持ち出すと向正面で前をまとめて交わしに行き、4コーナーでは先頭を奪取。直線ではテイエムヒッパシレも粘りを見せたが、スーパージンガは余裕のある手応えで1馬身半のリードを取り、危なげない勝利となった。さらに2馬身ずつ差がついて3着にニュールック、4着にオーチンハラショウと、先行した各馬が上位を確保。出走馬の中で唯一の佐賀生え抜きで西日本ダービーに出走資格のあるニチウォはスーパージンガから2秒4差の6着と厳しい結果に終わった。

佐賀の3歳三冠は、それまでの春秋の二冠(栄城賞、佐賀菊花賞)に、佐賀、荒尾、中津の3場が協調・連携していこうという『九州競馬』構想を契機に九州皐月賞荒尾ダービー(荒尾)を加えて三冠体制を確立。その後は荒尾の廃止もあり、三冠構成レースに変動はあったが、『九州競馬』時代にカシノオウサマ(2002年)、佐賀単独となってからエスワンプリンス(2012年)が三冠を達成。昨年から佐賀皐月賞を一冠目とする現行の体系となり、スーパージンガが牝馬としては初となる、史上3頭目の佐賀3歳三冠馬となった。

スーパージンガを管理する渡辺博文調教師は、昨年8月に騎手から調教師へ転身。初出走(10月)から1年経たずに3歳三冠制覇の偉業を達成した。渡辺調教師は「恵まれすぎですね。この馬に巡り合えて、調教師冥利に尽きます」と感慨深げに語るとともに、「ダービーグランプリは考えてはいますが輸送に時間がかかるので。今年は(遠征は)わかりませんが、来年はどんどんグランダム・ジャパンへ向けていくので、応援して欲しいですね」と、今後の飛躍をしっかりと見据えていた。

  • 取材・文
  • 上妻輝行
  • 写真
  • 早川範雄(いちかんぽ)

Comment

真島正徳 騎手

スタートは今まで自分が乗ってた中では一番切れた方でした。しばらく外に出せませんでしたが、出した時の手応えを見たら大丈夫だろう、前は捕まえられると思いました。馬体増で調整に悩んだ部分もありましたが、それ以上に馬が強く成長していると思います。

渡辺博文 調教師

三冠達成できて嬉しいです。打撲で除外(宮之浦岳特別)の影響はなく、これから先、馬が成長していくためには馬体重増も想定内でした。今後は未定ですが、佐賀の3歳レベルではペースが遅く、馬の力を出し切れないので、強い相手にぶつけていきたいですね。