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第61回 2016年10月7日(金) カツ丼(名古屋競馬場)

名古屋競馬場
「すみれ」 カツ丼(750円)

多彩なメニューのなかにカツ丼が!
 日本固有の料理ジャンルといえるドンブリものには種類がいくつもあるが、そのなかで「カツ丼」は個人的に別格のものがある。それはおそらく子供のころに見た刑事ドラマか、もしくはマンガなのか、ともかく警察での取り調べのシーンで出前されたカツ丼を見た瞬間、または一口食べた途端、犯人が涙を流して白状する……
 あれが天丼や牛丼だったら絵にならないんですよね。そんなわけで私にとってのカツ丼は、かなりランクの高い位置にある食べ物なのであります。
 それとは別に「どうも気分がカツ丼」というときがある。このときもそうで、名古屋競馬場でいきなりカツ丼の姿が頭に浮かんでしまったのだ。
 果たして名古屋競馬場内でカツ丼に巡り会うことができるのだろうか。とんかつならあることがわかっているのだけれど……
麦茶はポットからご自由に
 と思いつつ食堂街をカニ歩きしていると、入場門を入って右側のお店にその文字があった。ただ、この日はとても暑くて、お店に入って最初に目に飛び込んできたのが、常連とおもしきおじさんの前に置かれていたそうめんの器。うひゃー、メチャメチャ惹かれてしまう!
 しかしそこは初志貫徹。カツ丼を注文してからは麦茶で涼をとる。そして待つことおよそ5分。ふわふわの卵とともにやってきましたよ、カツ丼!


カツ丼!
 うーん、これぞニッポンの正しいカツ丼。そんな感想が残るやわらかい味が、ドンブリ全体に染みわたるダシとともに優しく吸い込まれていく。
 カツ丼といえばボリューム食の代表格という感じもあるが、ここのカツ丼はわりとおとなしめのサイズ。それでも丁寧に作られていることは一目でわかったし、食べ終わったあとには満足感が残った。
 ちなみにこのお店は、名古屋競馬場の検量室の2階にある食堂と同じ店。騎手が食べているメニューと共通しているものも多いから、それでライトな感じのサイズになっているのかな?
 それでも個人的に頭に描いたとおりの味を堪能できたから「カツ丼を食べた」という達成感は十分。ゲンをかつぎたいというニーズにも、もってこいといえるかも!

浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。

※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。