第42回 2012年1月20日 リードスキー
「マルゼンスキーの仔を繁殖牝馬として欲しかったので1歳8月のセリで購入しました。今となっては宝馬ですね」と小西ファームの小西芳幸場長。
小西場長所有馬として北海道の手島健児厩舎からデビューしたリードスキーは、フレッシュチャレンジを優勝し、98エーデルワイス賞GVは2年目にして地方所属馬に初めて栄冠をもたらしました。気性のきつさは天下一品で、門別競馬場でも有名だったそう。
01年から小西ファームで繁殖生活に入りました。南関東で2つの重賞を制しているロイヤルボスと昨年の南関東クラシック戦線で活躍したシングンボスの母として知る人が多いでしょう。
ロイヤルボスのとねっこ時代を小西場長に聞いてみると、品があって垢ぬけていて、これはひょっとすると……という思いが大きかったそうです。そんな期待を胸にロイヤルボスは06ハイセイコー記念を無敗で制し、07南関東クラシックはフリオーソやアンパサンドらと高いレベルで走り続け、09マイルグランプリはアジュディミツオーを打ち破りました。南関東のトップクラスで走り続けています。
リードスキーに一度会わせて頂きたくて、昨年おじゃましてきました。兄ロイヤルボスと弟シングンボスはそっくりなので、厩舎ではシングンボスをコボスという愛称で呼んでいるんですが、その兄弟に母までそっくりな容貌だったのでとても微笑ましかったです。
それにしても、普段の取材でもなかなかお目にかかったことがないくらい、リードスキーから耳をずっと絞られっぱなしで威圧感たっぷりだったんですが……。97年生まれなので昨年は14歳、今年15歳になりましたが、その気性のきつさは現役時代と何ら変わりはないそうです。
「でも、種付けは手こずらないし、いい発情がくるから止まりも良いんです。仔出しも良くて、牡馬を多く産んでくれます。これほどの馬はなかなかいません。最初はちゃんと仔を育てるか心配だったんですが、自分からすぐにお乳を飲ませていて、頭はとても良いですね。仔馬をとてもかわいがって母性愛の強い馬です」(小西場長)
リードスキーのお腹にはアドマイヤジャパンの仔が宿っているそうで、このまま順調にいけば2月下旬に出産予定だそうです。早くも10頭目の仔になります。
競走馬としても繁殖牝馬としても優秀な成績を収めているリードスキー。地方競馬を代表する名牝の1頭と言っても過言ではないでしょう。今後もどんな仔を送り出してくれるんだろうと楽しみでなりません。
高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に活動中。
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