第33回 2011年4月20日 マルカセンリョウ
3歳1月に中央デビューし1勝を挙げると、障害競走なども経て、4歳6月からは名古屋競馬の瀬戸口悟厩舎所属として再出発。03名古屋大賞典GVと04かきつばた記念GVの2つのダートグレードレースを制するなど重賞タイトルは8勝で、長年に渡って名古屋競馬の看板馬として存在感を示してきました(通算勝利数21勝)。
550キロ台の雄大な栃栗毛の体には、多くの人たちが目を奪われていたでしょう。ラムタラ産駒の国内初年度産駒。
引退後は岐阜県各務原市にある育成牧場のホースファーム・カトーの所有馬として過ごしています。現役時代に休養にいたこともあって、マルカセンリョウにとっては慣れ親しんでいた場所です。
「元々のオーナーさんから『のんびりした雰囲気でとても良いところだし、面倒を見てもらえないか』という依頼があって、馬が好きで始めた仕事だし縁のある馬だったので、生かせる命は救ってあげたいと思って快諾しました」と加藤敏勝場長。
ここ数年は愛知県にある大学の乗馬クラブで馬場馬術競技などに出場していましたが、昨年1月頃から再び加藤さんの元に戻り、現在は功労馬として過ごしています。おとなしくて扱いやすい性格だそうです。
「功労馬にしておくのが惜しいくらいに脂が乗り切っていますよ。ラガーマンみたいな体の幅はうちいる馬たちの中でもトップクラスで、現役の頃と体重は変わらないか少し増えているかくらいだと思います。風邪も一度も引いたことはないし脚元も問題はありません」(加藤場長) 13歳になりましたが、抜群のルックスは変わりがないようです。
ホースファーム・カトーは笠松競馬場から車で約30分の所で自然に囲まれた場所にあり、ご家族で経営しているアットホームな牧場さん。マルカセンリョウは『セン』という愛称で呼ばれていて、今でも年に数回はかつてのオーナーさんや瀬戸口調教師が、好物だったバナナを差し入れに顔を見に来てくれるそうです。
「自分たちの所にいるのが一番幸せだと思っています。今は功労馬としてのんびり過ごしていますが、いずれはまた乗馬などで、背中に乗せたときの感動をいろんな人たちに与えて欲しいです」(加藤場長)
現役から退いてもおしゃれにはこだわっているそうで、現在のマルカセンリョウの腰には星とVマークのデザインが刈り込まれていてカッコいい仕上がりになっているそうです(写真)。
見学については、ふるさと案内所のホームページでご確認下さい。
なお、兵庫ジュニアグランプリの勝ち馬で全日本2歳優駿ではユートピアの2着に入ったエースインザレースも功労馬として余生を過ごしているそうです。
高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に活動中。
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