ロータスクラウン賞は佐賀(九州)3歳三冠の最終戦として2008年以降は9月下旬か10月頭に行われてきたが、『3歳秋のチャンピオンシップ』として全国的な3歳重賞路線を形成していく流れの中で、昨年は9月1日へ移動。今年は西日本ダービー(9月10日、笠松1900メートル)とのレース間隔の適正化を図るため、時期がさらに早まり8月16日の実施となった。
佐賀3歳有力馬の動向は、二冠目の九州ダービー栄城賞(5月31日)を勝ったトップレベルはその後休養入りし、同2着のエアーポケットは19日の黒潮盃(大井)へ出走予定。また、ロータスクラウン賞のステップレース・佐賀城特選(7月12日)を勝ったスターオブグリーンは15日のJRA小倉・1勝クラスへ遠征(14着)と分散傾向。となると俄然注目を集めるのが、一冠目の佐賀皐月賞(5月3日)を制し、九州ダービー栄城賞3着敗退後は前走の吉野ヶ里記念(7月19日、1400メートル)で古馬重賞を勝利したミスカゴシマだ。他の重賞勝ち馬がリバイブのみのメンバー構成となり、単勝では1.4倍と抜けた1番人気に。高知から唯一の遠征馬マイネルヘルツアスが4.0倍で、ひと桁倍率はこの2頭のみとなった。
好スタートを決めたミスカゴシマを外からリバイブ、内からシンカンワールドが交わしていき、ハナに立ったのはシンカンワールド。向正面ではこの3頭からやや離れていたマイネルヘルツアスとコウキトウライも上昇開始。3コーナーでシンカンワールドが脱落すると、4頭の争いに。一旦はミスカゴシマが先頭に立ったが、外から馬体を併せてきたマイネルヘルツアスが直線で同馬を交わし、最後に脚を伸ばしたコウキトウライを半馬身抑えての優勝となった。ミスカゴシマは最後に伸びず3着で、以下、イケノアスリート、リバイブと入り、勝ち馬から5着まで1秒差以内の接戦となった。
マイネルヘルツアスは前走の高知優駿(6月14日)ではリワードアヴァロンから3秒1差と離されたものの4着を確保し、佐賀から遠征のエアーポケット(10着)に先着していた。高知勢のロータスクラウン賞勝利は14年のクロスオーバー以来となる2勝目で、ともに別府真司調教師の管理馬。鞍上の倉兼育康騎手は佐賀の重賞はこれが初勝利で「これまでいい馬で連れてきてもらっていたのに2、3着で、ようやくご恩返しができました」と喜びもひとしお。転入馬のため西日本ダービーへの出走資格がないが「長い距離がいい馬なので、黒潮菊花賞(9月13日、高知1900メートル)を使うのではないでしょうか」(倉兼騎手)とのことだ。
3着に敗れたミスカゴシマの石川慎将騎手は「距離は持つと思うのですが、今日はレース中に伸びていかず、向正面からずっと追っていかなければなりませんでした」とレースを振り返る。こちらは西日本ダービーへ向かう予定とのことで、佐賀代表として大きな期待がかかるところだ。
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倉兼育康 騎手
もう少し後ろからの展開になると思っていましたが、いい位置が取れました。ミスカゴシマを眺めながら、先に先頭に立ってしまうと遊ぶクセがあるので、小出しにレースを進めていました。最後は早く動いてしまったかと思いましたが馬が反応してくれてよかったです。