2020年10月20日(火)
第147回 サブノイナズマ
サブノイナズマは、南関東競馬の重賞勝ちを収めているサブノ兄弟たちの偉大な母。息子たちは、2017年の東京記念の覇者サブノクロヒョウ(父 ロージズインメイ)と2020年アフター5スター賞の勝ち馬サブノジュニア(父 サウスヴィグラス)。兄は長距離、弟は短距離。サブノイナズマは繁殖牝馬として種牡馬たちの良さを引き出しています。
サブノイナズマも、2007年から2009年にかけて大井競馬場で走り、現役引退後は生まれ故郷の藤沢牧場さんで(新ひだか町)繁殖生活を送っています。現在は15歳。
11月3日に大井競馬場と門別競馬場で実施されるJBC競走。今年は史上初の2場開催ということでも話題を集めています。サブノクロヒョウがJBCクラシック、サブノジュニアがJBCスプリントの有力候補の1頭として出走を予定しています。(藤沢牧場さんからは生産馬メイショウアイアンもJBCスプリントへ出走予定)
サブノイナズマが現役を引退して間もない頃はまだ落ち着きもなかったそうですが、今は大人しくなり悠々自適に過ごしているそうです。優しいお母さんで、繁殖牝馬として帰ってきた娘のサブノハッピーとともに、放牧地で親子一緒に仲良く過ごしているそう。
以前、藤沢牧場常務取締役・藤沢亮輔さんのTwitterで、サブノイナズマが放牧地で心地良さそうにお昼寝している写真を掲載されたことがありました。「毎日楽しそうに過ごしています」と藤沢さん。『楽しい』という言葉は、人馬ともに素敵な表現ですね!
サブノクロヒョウとサブノジュニア兄弟をはじめ、母のサブノイナズマ、祖母サブノアフロディアも、中川三郎オーナーが所有され、藤沢牧場さんで生まれた思いの込められた馬たちです。
「中川社長は子供の頃からお世話になっています。30年前に父(藤沢澄雄さん)がシンコウラブリイを初めて実馬で見た時、自分の中の繁殖牝馬の理想の形という印象を受けたそうです。
そこからビビッと来たのが、イナズマの祖母になるサニーモーニングで、父が惚れ込んでアイルランドから導入した馬(代表産駒シロキタクロスなど)です。シンコウラブリイと同じでサニーモーニングも決して大きくはないですが、品があって理想の形の繁殖だったようです。
そのサニーモーニングの血統に惚れ込んでくださった中川社長が、『種馬はフジキセキをつけて欲しい』と父を説得して、それで生まれてきたのが母のアフロディアでした。アフロディアは現役時代に管骨の骨折で引退して蹄の調子があまり良くなかったので、そんなに子供が取れない中で生まれてきたのがイナズマです。
代々重ねてきた血統なので思い入れは深くなります。ありきたりですが、夢とかロマンとかいろんな想いを紡ぐ競馬というのは、すばらしいスポーツですね」(藤沢さん)。
サブノイナズマの息子たちが、11月3日の祭典ではどんな走りを見せるのでしょうか!そして、関わってきた全ての皆さんたちは、どんな思いで当日を迎えるのでしょうか!今年のJBCが近づいてきました。
(提供:藤沢牧場さん撮影)