2020年7月20日(月)
第144回 マサヤ
今年3月、久しぶりに地方競馬教養センターへおじゃました際に、佐賀と南関東で活躍したマサヤに会うことができました。
ちょうど馬房の中でお食事をしていた時間帯で、カイバ桶がつるしてあるポジションの関係でお尻しか見られませんでしたが(笑)、顔も上げずに黙々と食べ続けていたので、人馬ともに食欲があるのはいいことだなぁと思いました。幸せな瞬間であることも一緒ですね。
マサヤは佐賀桜花賞(2014年)を皮切りに、吉野ケ里記念(2017年)など、佐賀で重賞7勝を挙げているタイトルホルダー。昨年のサマーチャンピオンを3年連続で出走し、それがラストランとなり、今は那須の地方競馬教養センターで第二の馬生を送っています。
教養センターには地方競馬で走っていた66頭の卒業生たちがいて、騎手候補生が立派な騎手になるための先生として、大切な役割を担っています。
マサヤの近況を、教養センター養成課の中嶋遼さんに伺いました。
マサヤは昨年8月下旬に教養センターの一員となり、最初は騎手候補生たちに競走馬としての訓練を担当していたそうですが、10月頃からは基本乗馬としての調教も始まり、速歩や駈歩など基本の扶助を覚え、今年に入り障害飛越も始め、今では90センチほどの障害物を飛び越えているそうです。
「マサヤはオープン馬だったので、馬自身に力がある印象を受けました。気性は素直で乗りやすいです。訓練馬は生徒が世話や騎乗で扱えなくてはいけないので、適性としてはいいものがあると思います」(中嶋さん)。
当初、マサヤは98期生の訓練の中で使用していたそうです。佐賀競馬場の金山昇馬騎手が修了レースで騎乗したそうで、佐賀で活躍した大先輩が、これから佐賀でデビューする騎手の卵を乗せて、大一番をともに駆けたという素敵なエピソードがあるそうです。
「競走馬として生まれてきて現役を引退して、今は生徒の先生として歩み始めたばかりですが、1人でも多くの生徒たちがマサヤに関わって、デビューをしていって欲しいです。これから長くいい先生として続けていって、天寿を全うして欲しいですね」。
(提供:地方競馬教養センター)