2020年2月20日(木)
第139回 ヤマミダンス
金沢の女王として全国を舞台に戦い続けたヤマミダンス。2016年9月20日に金沢競馬場の新馬戦で優勝すると、破竹の5連勝。
初重賞を飾った新設の地方交流戦・金沢シンデレラカップは、のちに南関東牝馬クラシックの東京プリンセス賞を制するアンジュジョリーや、のちに石川ダービーを優勝する金沢のライバルだったヴィーナスアローらを打ち破っての勝利でした。
ここを使うために全てが計画通りに進み優勝し、それ以降も連勝。管理する中川雅之調教師は一番思い出に残るレースと振り返っています。
今年1月3日に川崎競馬場で実施された報知オールスターカップが結果的にはラストランとなり、2歳から6歳までの競走生活に幕を下ろしました。毎年勝ち星を積み重ねていき、40戦13勝(重賞勝ちは8勝)、連対率は45%。
母のキウィダンスは、2001年から2005年にかけて愛知から全国に挑戦した南半球産。母同様に愛娘も、多くの人たちに愛されながら心に残る現役生活を送りました。
ヤマミダンスの中川調教師は騎手時代に2743勝を上げた名手。1998年から2002年にかけて金沢から全国に遠征し、ダートグレード競走などでも好走した女傑トラベラーの主戦としても知られています。2012年5月からは調教師として歩み始めましたが、それから数年後にヤマミダンスに出会うことになりました。
中川調教師自らが主に調教に乗ってきたというヤマミダンス。追い切りでは抜群の動きを見せるも、気の難しさがあり、レースでは嫌気を差すと走るのをやめてしまい、気分よく走れた時はさらにもうひと伸び。それはいい所でもあり悪い所でもあったそうですが、だからこそ、これだけ長く元気に走り続けることができたのではないかと、中川調教師は振り返っています。
「2歳から走って、全国の重賞レースで活躍をしてくれて、馬主さんと馬には感謝しています。新米だった調教師の名前を売ってくれて、本当にありがたかったです。
報知オールスターカップが終わってからは金沢競馬場でのんびり過ごしましたが、2月2日に生まれ故郷の新井昭二さんの牧場に無事に帰すことができました。今はカイバをバリバリ食べていると聞きましたが、いい仔を生んで欲しいですね。繁殖になってからもタフに頑張って長生きして欲しいです」(中川調教師)。
金沢の女王ヤマミダンスの第二章が始まります!
(提供:NAR)