2020年1月20日(月)
第138回 フラットライナーズ
競走馬生活を引退し、第二の馬生へ進んでいく馬たちの姿を多く見かける季節です。
船橋の林正人厩舎に所属していたフラットライナーズ。東京ダービー馬ラッキープリンスや、ルースリンド産駒の羽田盃馬ストゥディウム、JBCレディスクラシックの覇者ララベル、兵庫ジュニアグランプリを勝ったジャジャウマナラシ、馬時間メンコやチークでもお馴染みだった京浜盃馬オウマタイムなどと同期生。
南関東クラシックの前哨戦でもある京浜盃(2015年)は2着に入り、能力の高さでクラシック戦線に進みましたが、その後は路線を変更し、短距離戦線へ。
持ち前のスピードを生かして、Bクラスからコツコツと勝ち星を積み重ねていきながら、最終的には生え抜きのA1馬へ。
習志野きらっとスプリント(2016年)と船橋記念(2017年)をともに左海誠二騎手とのコンビで優勝し、船橋1000m戦のスペシャリストとして2つのタイトルホルダーへと輝きました。
そんなフラットライナーズも昨年のレースを最後に現役を引退し、オーナーの(有)太盛さんのプライベート種牡馬として新生活をスタートさせることになったそうです。父はシニスタミニスター、母がアールデコ、母父はタイキシャトルという血統。
フラットライナーズが繋養されるのは、北海道むかわ町のストロベリーフィールドファーム(株)さん。ここはオーナーさんが思い入れで種牡馬入りをさせた浦和のホールウォーカーも過ごしている場所です。
オーナーご一家は、元々は競馬ファンから馬主になり、趣味が高じて、自分たちの牧場まで作ってしまったというお話しを以前伺ったことがあります。競馬ファンにとっては憧れのライフスタイル。
先輩のホールウォーカーは数少ないチャンスからもフォクスホールが誕生し、南関東の重賞戦線にも出走するなど活躍中です。フラットライナーズもこれからどんな種牡馬生活を送っていくのか興味深いです。
「最初に勝った習志野きらっとスプリントは、叩き合いで粘り切った根性がとても印象に残っています。フラットの子供たちにも、スピードと根性を受け継いで欲しいです。子供を管理させて頂けたらとてもうれしいですね」(林調教師)。
フラットライナーズは、芸術品のような上品な佇まいも印象的な馬でした。そんな美しさも受け継いだ子供たちが、誕生する姿も楽しみにしながら……。フラットライナーズ、お疲れ様でした!