2019年8月20日(火)
第133回 バジガクモミジ
関東は夏休みも終盤になりましたが、連日、競馬場には家族連れが多くにぎわい、子供たちも楽しそうに過ごしています。今回は特別に夏休み特集として、ひと際小さなかわいい馬が人気を集めているお話しを書かせて頂きます。
皆さんは、大井競馬場からデビューしたバジガクモミジ(久保田信之厩舎)という馬をご存知ですか?6月にデビューした時の馬体重はなんと315キロ!!!父はキングズベスト、母がヴィルヌーヴ、母父はディープインパクトという血統の2歳牝馬です。
地方競馬全国協会の調べでは、2005年以降で調べがついただけでも、これまでの地方競馬全体の最軽量は322キロのリバーチビチャン(佐賀)だったそうで、315キロのバジガクモミジはその小さな記録を更新?!したことになります。
バジガクモミジは、『セリで買い手がない1歳馬を購入し、学生たちと競走馬デビューの道に繋げたい』というクラウドファンディングのプロジェクトで購入された1頭。
東関東馬事高等学院・東関東馬事専門学院(通称 バジガク)の学生たちの授業の中で、馬の管理・調教などを行い、競馬デビューを目指し、その馬が引退してからも第二の馬生(乗用馬)の再出発に向けてサポートしていくというものだそうです。(詳細はこちらに出ています)
バジガクモミジはここまで3戦を消化し、現在は馬体重を1キロ増やして316キロ。どうしてもスピードについていけずタイムオーバーになっていますが、前走は持ちタイムをグッとつめました。
「ピッチ走法なのでトップスピードになるのは速いのですが、ストライドが小さいのでいい手応えでも遅れてしまいます。それでもいつも一生懸命走ってくれる馬です。追い切りもだいぶ動けるようになって成長はしてくれています」とコンビを組む松﨑正泰騎手。
パドックにバジガクモミジが登場すると、「うわぁ~、かわいい」という声がよく聞かれ、平場のレースでも写真を撮る人たちがより多いように思います。
「ここまで小さい馬は初めてです。パーツ全てが小さいですよね。食べる量はあまり多くはありませんが、なるべく食べさせるようにして、一回りでも大きくなって欲しいと思っています。基本的には大人しくて素直な馬で、普段の姿を見ていても、これまでもたくさんの人たちにかわいがられてきた馬なのだろうなぁと伝わってきます」(久保田調教師)。
最近では、笠松から328キロのミルキーベルンがデビューをし、船橋では珍名さんでも話題になったキョカキョクキョカが340キロでデビュー。
小さい馬たちは現地で生観戦した方が、よりその小ささ?!がわかると思います。小さい体は競走馬としてはハンデでしょうが、競走馬としてデビューした以上、ひとつでも上の着順を目指して欲しいと思います。そして、各地で愛され、人気者になりますように!