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地方競馬にまつわる「ウマいもの」を毎月ご紹介!

2019年6月10日(月)

第93回 門別競馬場「LUMBINI」
チキンベジタブルカレーナン(600円)
 チキンティッカ(400円)

数年前からよく聞かれるようになった「人手不足」という言葉。競馬業界にもそれは当てはまり、とくに北海道の日高地方の育成場でそれが顕著になっています。不足しているのは馬に乗れる従業員。育成場での経験を厩務員や調教助手へのステップにする若者は昔から多くいましたが、かつてはその分だけ新しい人が入ってきました。

しかし最近はホースマンを目指す若者が減少。肉体労働で休日が少なく、都会から離れているという環境で経験を積み重ねていこうと考える人が減るのは、今の時代だからかなと感じます。

その不足分を補うために、日高の育成場などでは15年ほど前から外国人の姿が見られるようになりました。最初は豪州が多く、そこからマレーシア、フィリピンなどに代わり、現在の主力はインド人。現在は浦河町の人口の1%が、インド国籍を持つ人になっています。

そこで気になったのは「彼らの舌に合う食べ物が馬産地にはないけれど、大丈夫なの?」という件。しかしそれが2018年から19年にかけて急変しました。浦河や静内に、新しくインド料理店ができたのです!

ちょっと前には間違いなく存在していなかったオレンジ色の看板。そのお店は、2019年から門別競馬場でも営業を始めました。

門別競馬場ではインド人が厩務員として20名ほど働いているそうですが、それと関係があるのかどうかは不明。ともかく、2018年の道営記念の日に惜しまれながら閉店した「小径Café」の跡地は、インド・ネパール料理店になりました。

「競馬が開催されていない日は、富川とか静内にある系列店にいます」と、接客を担当するお姉さん。「同じ名前のお店は日本全国にありますが、ウチの店とほかの場所にある店とでは、味が違うと思いますよ」とのことでした。ということで、このお店の味は日高地方にある「LUMBINI」と同じ味だそうです。

しかしながら、競馬場でエスニックとは斬新。店頭ではお兄さんがナンにオイルを塗って、窯に入れて焼いていました。じつはわたくし、ナンがけっこう好きでして、ナンを店頭で製造しているのを見てしまったら、こりゃ食べるしかないでしょう!

大きいナンを少しずつちぎってカレーに浸し、付け合わせとして注文したスパイシーなチキンティッカを一緒に食べたら、かなり高い満足度。カレーの器の底には豆やトマトなどが沈んでいて、手間をかけて作られていることもわかりました。

これはビールが欲しくなる……けれど、この日はレンタカーで来ていたので断念。数々のスパイスのおかげで汗も出て、頭が冴えてきたような気もしました。

メニューのバリエーションは少ないけれど、これ一本で勝負するのは逆にアリ。たぶん次に門別競馬場に来るときも、同じメニューを注文すると思います!

浅野靖典(あさのやすのり)

競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、

  • 競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
  • POGの達人
  • JRAホームページ
  • 週刊プレイボーイ
  • WEBハロン

などに寄稿している。

※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。
その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。