地方競馬では、牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を図るため、今年で8年目となる 世代別牝馬重賞シリーズ 「GRANDAME-JAPAN2017(グランダム・ジャパン2017)」を実施します。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
直線後続を突き放し他馬を圧倒
GDJ3歳シーズンは大逆転で決着
南関東3歳牝馬の三冠目、関東オークスJpnⅡは、グランダム・ジャパン3歳シーズンの最終戦。この最終戦では今年からエクストラポイントとして、地方馬の最先着から順に15、10、5ポイントが加算される。最終戦を前にして、高知のタッチスプリントが27ポイントでトップだが、このエクストラポイントによって、表彰の資格要件を満たしているすべての地方馬に優勝の可能性があった。JRAからの参戦は4頭。力比較の難しいメンバーではあったが、兵庫チャンピオンシップJpnⅡ・3着の実績を持つクイーンマンボが単勝1.9倍で1番人気。牝馬のダートグレード戦線で活躍したビーポジティブの仔、サクレエクスプレスが2番人気で3.7倍。ダートに変わって好走しているアンジュデジールが4.3倍で3番人気と続いた。
ゲートが開くと、イントゥゾーンがダッシュをきかせたが、その外からアップトゥユーが何が何でもの構えで先手を奪った。1周目スタンド前では、外の3番手にクイーンマンボ、内にステップオブダンスが追走し、アンジュデジールは5、6番手で前をマークするような位置取り。サクレエクスプレス、タッチスプリントは後方集団からレースを進めていた。
向正面半ばあたりからペースが上がり、3~4コーナーで早くもクイーンマンボが先頭に立った。それを追いかけるようにアンジュデジールも上がっていった。しかし直線に入るとクイーンマンボがぐんぐんと突き放し4馬身差の快勝。2着にアンジュデジールで、さらに3馬身差の3着に大井のステップオブダンスが入った。
デビューから5戦目とメンバー中最少のキャリアながら、圧倒的なパフォーマンスを披露したクイーンマンボ。牡馬相手の兵庫チャンピオンシップJpnⅡで3着に粘った実力はダテではなかった。担当する前川和也調教助手からは、オーナーが同じ厩舎の先輩、GⅠ/JpnⅠ・2勝の名牝サンビスタと比較した話が聞かれた。「サンビスタは若い頃弱いところがあったのですが、クイーンマンボは体がしっかりしていて完成度が高いです」。まだまだ気性や体形にも課題があるとのことだが、そのぶん伸び代も大きいということ。今後のダート路線でどんな存在になっていくのか楽しみだ。
グランダム・ジャパン3歳シーズンだが、3着に好走したステップオブダンスが25ポイントを獲得して合計29ポイント。9着だったタッチスプリント(高知)も29ポイントで並んだが、「同ポイントの場合、最終戦の着順上位馬を優先」という規定により、ステップオブダンスが優勝。エクストラポイントの加算によって、4ポイントからの大逆転劇となった。そして3位は23ポイントのスターレーン(兵庫)という結果となった。
中央馬相手に3着という結果に喜び合っていたステップオブダンス陣営に、グランダム・ジャパン優勝の旨を伝えると、さらに歓喜の声が上がった。「森騎手も最高にうまく乗ってくれました。すごく手応えがよかったので直線は興奮しました」と藤田輝信調教師は満面の笑顔。今後は、秋のロジータ記念を目標に調整が進められる。
一方、逆転を許してしまったタッチスプリントの倉兼育康騎手は「前の馬の影響で後ろに下がってしまって。これも競馬です……」と悔しそうに語った。タッチスプリントはこのあと、7月6日のスパーキングレディーカップJpnⅢから始まるグランダム・ジャパン古馬シーズンに参戦予定とのことだ。
調教助手