地方競馬では、牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を図るため、今年で8年目となる 世代別牝馬重賞シリーズ 「GRANDAME-JAPAN2017(グランダム・ジャパン2017)」を実施します。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
内枠から抜群のスタートダッシュ
直線セーフティリードで逃げ切る
南関東クラシック戦線の開幕を告げる牝馬の一冠目・桜花賞は、グランダム・ジャパン3歳シーズンの第2弾でもある。他地区選定馬は、これが23戦目というキャリア豊富な笠松のハリアーで、補欠2番手からの繰り上がり出走となった。1着から3着馬までが牝馬二冠目の東京プリンセス賞へ、さらに1着馬には三冠目の関東オークスJpnⅡへの優先出走権が与えられる。
北海道時代にエーデルワイス賞JpnⅢ・2着やローレル賞優勝の実績があるアップトゥユー、ユングフラウ賞の勝ち馬ステップオブダンスが人気の中心となり、2歳時に水沢のプリンセスカップを制しているスターインパルスが3番人気に続いた。
終わってみれば、石崎駿騎手が手綱を取ったスターインパルスの快速ぶりに目を奪われた。浦和のマイル戦はスタートしてすぐに4コーナーとなるため、外目の枠はかなり不利であることは知られている。スターインパルスは絶好の3番枠を引き当て、持ち前のスピードを生かして逃げ切り、桜の女王の座を射止めた。
「スタートとスピードには自信がありました。1コーナーに入るまでに他馬にこられても気にならなかったし、自分のペースを守って進めることができましたね。ちょっと速いペースでも、他の馬たちが脚を使ってくれればいいなと思っていました」(石崎騎手)。
スターインパルスが作ったペースは、600メートル通過が35秒6、前半1000メートルは61秒8で、縦長の展開。後続との差を広げていく一人旅となった。
直線に入ってその差をさらに広げたシーンでは、スタンドからどよめきの声が上がった。「ゴール前に脚色が鈍りました」と石崎騎手が振り返っていたが、それを感じさせないような力走。中団の前から進めて2着に入ったグラスサファイヤに4馬身差をつける完勝。3着には出遅れながらも中団後方から進めて脚を伸ばしてきたシェアハッピーが入った。
ここ数年、南関東の重賞レースでは、浦和勢の活躍に目を見張るものがある。その起爆剤となっているのが、南関東リーディングの小久保智厩舎。桜花賞は小久保調教師にとって初制覇となったが、浦和所属馬にとっても10年前のマルノマンハッタン以来の勝利であった。
「新馬戦の時からスピード能力はすごいものがあった。まだ弱さもあるから攻め込めないけど、ちょうどタイミングがあったんだろうし、これからもっと成長していくと思う」(小久保調教師)。
スターインパルスはこのあと一息入れる予定で、今後は左回りの短距離戦を中心に使っていきたいそうだ。サウスヴィグラスを父に持つスピードあふれる走りを、楽しみにしていきたいと思う。
石崎駿騎手
ここまで強い競馬をしてくれるとは。4コーナーを回った時に大型ビジョンを見たら、後ろとかなり離れていて、ゴール前は脚色が鈍りましたが、セーフティリードをつけていたので大丈夫だろうと思いました。一瞬のうちに最高点に達するスピードがとても速い馬です。
小久保智調教師
マイル戦の3~4コーナーはスタートでも勝負所でもポイントになります。今回は野田トレセンから浦和競馬場に2週続けて追い切りをしに連れてきました。追い切り時計を出すというよりも体調を整える程度でしたが、そのポイントになる箇所でグンと加速するトレーニングは積んできたつもりです。