地方競馬では、牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を図るため、今年で8年目となる 世代別牝馬重賞シリーズ 「GRANDAME-JAPAN2017(グランダム・ジャパン2017)」を実施します。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
得意の末脚で一気に差し切る
一躍GDJのタイトルに名乗り
グランダム・ジャパン(GDJ)3歳シーズンは、残すところあと2戦。迎えたのじぎく賞は、目下ポイントトップに立っている地元期待のスターレーンが水沢遠征のダメージから回復せず休養中。重賞勝ち馬は高知のタッチスプリントのみというメンバーで、混戦の度合いを深めることになった。単勝1番人気は笠松のアペリラルビーだが、そのオッズは4.5倍で、5頭が一桁台と人気が割れた。連勝系のオッズを見ると、一応はアペリラルビーが中心だが、2番人気以下は賭式ごとに異なるという状況だった。
この日の園田競馬場は昼過ぎまで雨が残り、馬場状態こそ“重”の発表だが、ハローをあまりかけない馬場の外側のほうはかなり水が浮いた状態。第7レースでは単勝7番人気馬が逃げ切るなど、先行有利の馬場となっていた。
メインののじぎく賞も前残りになるのか、それともそれを意識するあまり先行争いが激しくなって末脚勝負の馬に出番があるのか。果たして結果は、後者だった。
佐賀のウイニングムスメが先頭に立つと、地元のハヴアナイスディが馬体を併せて2頭がレースを引っ張った。道中もそれほどペースが緩むことはなく、やや縦長の展開。向正面でペースが上がるとさらに隊列はばらけ、そこで中団から仕掛けて位置取りを上げていったのが、若草賞(名古屋)で直線一気を決めていた高知のタッチスプリントだった。
ハヴアナイスディは4コーナーで失速。ウイニングムスメが直線を向いて単独で抜け出したが、それも直線半ばまで。これを一気にとらえたのがタッチスプリントで、若草賞に続いてGDJ3歳シーズン2勝目、と思った刹那、さらにうしろから追い込んで差し切ったのがアペリラルビーだった。タッチスプリントはクビ差2着。3馬身半離れての3着に笠松のウリャオイが入り、主役不在の地元勢はスダチチャンの4着が最先着という結果となった。
GDJ3歳シーズンのポイント争いでは、「あそこまでいったら勝ちたかった」と別府真司調教師が悔しそうな表情を見せたタッチスプリントが他地区2着の9ポイントを加算し、計27ポイントとして単独トップに立った。
勝ったアペリラルビーは、第4戦の東海クイーンカップ(名古屋)でも2着があり、計16ポイントとして3位に浮上。
両馬ともGDJ3歳シーズンのタイトルを狙って、最終戦の関東オークスJpnⅡを目指すとのこと。さらに21ポイントで2位につけているスターレーンも放牧から間もなく帰厩し、関東オークスJpnⅡに出走予定とのこと。
GDJ3歳シーズンおよび古馬シーズンは最終戦がダートグレードとなっており、昨年までは中央馬相手では入着ポイントを稼ぐのが難しいと見て、ポイント上位馬でも回避する馬も少なくなかった。しかし今年から最終戦には地方馬だけの順位で3位までの馬にエクストラポイント(地方馬最先着から順に15、10、5ポイント)が着順ポイントとは別に加算されることになったこともあって、ポイント上位馬がそろって最終戦に参戦となりそう。
仮に関東オークスJpnⅡで地方馬が勝てば、着順ポイント20に加えてエクストラポイント15で計35ポイント、2着の地方最先着でも計30ポイントが得られるだけに、ポイント下位の馬にも大逆転の可能性が残されている。
向山牧騎手
混戦という中でも、いい勝負ができるのではと思っていました。中団からでも、砂を被るのはあまり嫌がらないので、だいじょうぶかなとは思っていました。最後は必ずいい脚を使うので、信じて乗っていました。直線では勢いがあったので交わせると思いました。
栗本陽一調教師
(最初の3コーナーでローランドアイに)進路をふさがれて位置取りを悪くしましたが、最後にきっちり伸びてきた脚には感心しました。当初は東海ダービーを狙っていましたが、駿蹄賞4着で賞金的に出走が難しいと思い、ここを使うことにしました。次は関東オークスで地方最先着を目指したいです。