中10日の遠征でも状態アップ
前走2着の悔しさを晴らす快勝

　グランダム・ジャパン（GDJ）古馬シーズンの第4戦。笠松のタッチデュールこそ早くも3戦目の出走となるが、ここで有力馬の何頭かが2戦目を迎えることになり、いよいよポイントに大きな動きが出てきそう。 　単勝1.6倍の人気を集めたトーコーヴィーナスは、やはり1番人気に支持された兵庫サマークイーン賞では、ほとんど逃げ切ったかと思ったところをゴール寸前で差し切られた。しかしそのレースの前から、中10日でもこの読売レディス杯への遠征は決めていたという予定通りのローテーション。女王の座を目指すには今度こそ負けられない一戦だ。
　ハナを主張したのは、昨年8番人気ながらこのレースを制していたエトワールドロゼ。出ムチを入れて気合をつけたトーコーヴィーナスもその外に馬体を併せた。地元期待の2番人気オープンベルト、船橋のクラカルメン、ケンブリッジナイスらも差なく続いた。
　3コーナーを迎えても前2頭の手ごたえは楽なまま。直後のオープンベルト、ケンブリッジナイスは懸命に追うが差は詰まらず。
　そして直線半ば、エトワールドロゼを振り切って抜け出したトーコーヴィーナスが、最後は余裕があっての勝利。3コーナーでほとんど最後方に位置していたアルカナが直線大外を追い込み、内で粘るエトワールドロゼをとらえて2着。兵庫勢のワンツーとなった。
　トーコーヴィーナスの重賞勝ちは、昨年5月ののじぎく賞以来1年3カ月ぶり。大山真吾騎手が主戦となってから初めてのタイトルとなった。前走兵庫サマークイーン賞の2着では悔しい思いをしただけに、今回の勝利にはホッとした様子だった。
　2着に突っ込んだアルカナの鞍上は川原正一騎手。昨年のこのレースではリノワールに騎乗し、最後方追走から3～4コーナーで豪快にまくって勝ち馬にクビ差まで迫ったというレースを思い起こさせた。今年もすでに100勝を超え、全国リーディングでも6位という57歳がここでも存在感を示した。
　3着のエトワールドロゼは昨年のこのレース以来勝ち星がなく、今回も6番人気と評価は低かった。しかし見せ場たっぷりのレースぶりで3着。一昨年が8月末の加賀友禅賞を挟んで3連勝。そして昨年は読売レディス杯を制したあと、名古屋に遠征した秋桜賞でも2着。そして今回の好走と、夏に強いところはあるのかもしれない。
　GDJ古馬シーズンもこれで折り返し。ここまでで表彰の資格要件を満たしているのはトーコーヴィーナスだけ。JRA所属馬を除くと16ポイントでトップに立った。とはいえ、兵庫サマークイーン賞でトーコーヴィーナスを差し切った高知のディアマルコが15ポイント、スパーキングレディーカップJpnⅢで2着のブルーチッパーも15ポイントで続いている。トーコーヴィーナスの次走は、GDJ古馬シーズン第7戦の名古屋・秋桜賞。そして、「最後の大井（レディスプレリュードJpnⅡ）まで、無事に行けるように調整しておきます」と吉行龍穂調教師。昨年の3歳シーズンに続いて、2年連続でのGDJ女王の座を視界に捉えている。