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ダートグレード競走を中心としたレースハイライトや、シリーズ競走等の特集、各種連載など盛りだくさんの情報をお届けします。

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未来優駿2020

毎年秋に行われる地方競馬の2歳主要競走シリーズ『未来優駿(みらいゆうしゅん)2020』。

全国各地で行われる2歳競走をピックアップし、活躍馬が2歳ダートグレード競走(エーデルワイス賞・JBC2歳優駿・兵庫ジュニアグランプリ・全日本2歳優駿)、さらには3歳クラシック競走へ駒を進めることで、魅力ある競走の実施、競走体系の整備促進に資することを目指します。

2008年に創設され13年目を迎える今シーズンは、対象期間と競走数が拡大され、9月21日から11月17日の期間に11競走が行われます。毎年、その後の2歳、3歳ダートグレード競走や全国各地のダービーで活躍する馬を輩出している本シリーズ。未来を期待される優駿たちの戦いにご期待ください。

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レース名 実施日 競馬場 距離
ゴールドジュニア 9月21日(祝月) 大井 1,400m
サンライズカップ 10月1日(木) 門別 1,800m
兼六園ジュニアカップ 10月11日(日) 金沢 1,500m
鎌倉記念 10月14日(水) 川崎 1,500m
兵庫若駒賞 10月15日(木) 園田 1,400m
九州ジュニアチャンピオン 10月18日(日) 佐賀 1,400m
ゴールドウィング賞 10月27日(火) 名古屋 1,600m
平和賞 10月28日(水) 船橋 1,600m
黒潮ジュニアチャンピオンシップ 11月1日(日) 高知 1,400m
南部駒賞 11月15日(日) 盛岡 1,600m
ハイセイコー記念 11月17日(火) 大井 1,600m
  • 第59回
  • ゴールドウィング賞

10.27 (火) 名古屋 1,600m

早め先頭から押し切る
 新種牡馬産駒のワンツー

ゴールドウィング賞は昨年まで3年連続で無敗の王者が誕生。しかし今年は無敗で臨む馬が不在で、出走12頭のうち2勝馬も3頭だけ。そのうちの2頭が圧倒的な人気を集めた。

前走のJRA認定戦を圧勝したダイセンハッピーが単勝1.6倍で、同じく前走でJRA認定戦を制したブンブンマルが2.3倍。この2頭の馬連複は1.5倍で、2番人気の組み合わせが8.5倍という、いわゆる“一本かぶり”になった。ホッカイドウ競馬からの移籍初戦となるミッドナイトクロスは3番人気で8.9倍の支持を受けたが、パドックで見せた馬体に汗が乾いた跡があり、周回中はあちらこちらを物見しながら歩いていた。

持ち時計からもオッズからも、一騎打ち濃厚。もう1頭の2勝馬、笠松のアリスパレスは「ゲートに入ろうとしたときに追いムチを打たれて、それから動かなくなってしまった」(担当厩務員)とのことで、場内にファンファーレが響いてから発走まで3分以上を要したが、枠入りを済ませていた11頭は静かにスタートのときを待っていた。

ゲートが開くと、前走で800メートル戦を逃げ切っていたリッチアロマが外枠から先手を主張。最内枠のダイセンハッピーは無理せず2番手におさまった。ブンブンマルも好スタートから4番手を確保。最初のコーナーで隊列が決まったことで、ホームストレッチでは長距離戦かと思うほどのスローペースになった。

その流れなら、向正面に入ったところでダイセンハッピー鞍上の大畑雅章騎手が動いたのは当然のことだろう。逃げるリッチアロマをあっさりと交わして主導権を握り、その直後をブンブンマルがマーク。ペースが上がると3番手以降の各馬は一気に離されてしまった。

向正面の中央付近からは、逃げるダイセンハッピーと追いかけるブンブンマルという構図。しかしブンブンマルは「4コーナーでちょっと離されてしまって」と戸部尚実騎手が振り返ったとおり、最終的な着差は1馬身でも、ダイセンハッピーと並ぶところまではいかなかった。

3着には最後に伸び脚を見せたロジータミニスターが入ったが、2着との差は3馬身。ミッドナイトクロスはさらに4馬身差の4着だった。それでも岡部誠騎手は「気むずかしくて、目いっぱいの調教ができない状況。でも、このレースを使ったことで変わってくると思います」と話した。

気性的に幼いのは、勝ったダイセンハッピーも同様。管理する今津博之調教師によると「前走でテンションがとても高かったので、今回はパドックでホライゾネットをつけたのですが、今度は大丈夫かと思うくらいにおとなしくて」と、苦笑い。牝馬限定のラブミーチャン記念ではなく地元戦を選んだのも、その気性を心配してのことだったそうだ。それでもダイセンハッピーは、父が古馬になって大成したホッコータルマエだけに、今後の伸びしろは大きそう。ナムラタイタン産駒のブンブンマルにも同じことが言えるだろう。

東海地区の2歳戦線は、この2頭が大きく抜け出した形。ダイセンハッピーは東海ダービーを目指したいとのことで、今津調教師は「あとはこれからどういう馬が移籍してくるかですね」と気にしていた。

  • 取材・文
  • 浅野靖典
  • 写真
  • 岡田友貴(いちかんぽ)

Comment

大畑雅章 騎手

できれば先手を取りたかったのですが、砂をかぶらせる調教をしていたこともあって、2番手でも問題ありませんでした。向正面で先頭に立ったのは、ブンブンマルが仕掛けてくる前に動こうと思っていたから。並ばれたら負けるかもしれないと考えていたので、そこからは強気に押し切るつもりで行きました。

今津博之 調教師

ゲートにいたのでレース全体は見ていませんが、3コーナーではブンブンマルとあまり差がなかったので、大丈夫なのかとドキドキしました。入厩したとき育成時より馬体が減っていたので、今回のプラス体重は本来の姿に戻っているところ。このあとは、まずはライデンリーダー記念が目標になるかと思います。