新型コロナウイルス感染拡大防止のため、佐賀競馬では2月下旬から無観客開催を行ってきたが、9月19日より場内滞留最大3000人の条件付きで客入れを再開。また、10月3日より新たに『ほとめきナイター』を開催(今年度は12月27日まで)。九州ジュニアチャンピオンはナイター開催での最初の重賞競走となった。
とはいえ、ネット発売を見越して重賞競走は従来のイブニングレースと同様の18時台に組まれることとなり、まだ陽の残る時間帯でのパドック周回から、馬場入場後に日没を迎え向正面から4コーナーの向こう側の丘陵のシルエットが浮かび上がるという、夕から夜へと刻一刻変化していく幻想的な雰囲気の中、発走時刻を迎えることとなった。
スタートからモーモーブラックがハナを奪うと、JRA認定2歳1組を2連勝中で単勝1番人気のシュリーデービーが2番手へ。デビューから3連勝中の2番人気アルティマソウルはシュリーデービーの直後の外を回り、キングサリ、スーパーキンチャンと続く5頭が先行馬群を形成。
3コーナーでシュリーデービーが先頭を奪うと、連れてアルティマソウルも2番手へ浮上。2頭の一騎打ちになるかと思われたが、シュリーデービーが終始リードする展開で、そのままアルティマソウルに1馬身差を付けての押し切り勝ち。
優勝争いから2馬身離れてキングサリが3着に入り、上位3頭は単勝人気順どおりの入線。以下、逃げたモーモーブラックが4着に残り、5着にスーパーキンチャンと、先行した5頭がそのまま上位を独占した形となった。
また、10月3日にデビューした飛田愛斗騎手は、キンナラキーで早くも重賞初騎乗。残念ながら9着に敗れたが、直後に行われた第7レースで初勝利を挙げるという嬉しい一日となった。
勝ったシュリーデービーは3走前にJRA小倉のフェニックス賞に遠征。10着に敗れはしたが、逃げ勝ったヨカヨカに果敢に先行争いを挑みスピード能力の高さを見せており、遠征帰りから3連勝で佐賀デビュー2歳馬の頂点に立った。2着のアルティマソウル、6着のトラースキックもシュリーデービーと同じく真島元徳厩舎の管理馬。「アルティマソウルは休養明けでも力を見せてくれましたし、次は違ってくるでしょう。トラースキックは1走しか経験がないですが、最後に脚を使ってくれました。どの仔も今後が楽しみですね」と真島二也調教師補佐は大きな期待を寄せていた。
一方、他地区デビュー馬は九州ジュニアチャンピオンに出走資格がなく、この日の2歳2組での1着から4着馬が、カペラ賞(11月23日)で、シュリーデービーらこのレースの上位馬と対戦することになりそう。
昨年の九州ジュニアチャンピオンからは、勝ったミスカゴシマを始め、トップレベル、エアーポケットと、その後の3歳重賞での活躍馬が出た。この世代も佐賀デビュー馬優勢となるのか否か、まずはカペラ賞に注目が集まるところだ。
Comment
鮫島克也 騎手
モーモーブラックが行くのはわかっていたので、番手までには必ず行こうと思ってました。もうちょっとゆっくり行きたかったのですが、アルティマソウルが来たので早めに行きました。若干掛かりぎみでしたが、馬が小さい割には頑張ってくれました。
真島二也 調教師補佐
中央で揉まれた分、力を付けて前走の認定の時はいい状態で臨めました。今回は連闘でエサ喰いが落ちたところがあり調整が大変だったので、頑張ってくれてよかったです。今後は馬主さんと相談ですが、馬体を減らさないよう、カペラ賞を目指して行くと思います。