13年目を迎えた2歳馬の重賞シリーズ『未来優駿』は、今年からレース数が増え11競走で実施される。JBC2歳優駿JpnⅢや年末のビッグレース、来年のクラシックに向け、全国の未来ある若駒たちの走りから目が離せない。
第一弾は大井1400メートルで争われるゴールドジュニア。昨年まで準重賞だったゴールドジュニアーが重賞に格上げされた。そしてこのレースが南関東で最初の2歳重賞となった。
その晴れ舞台に将来が期待される13頭が顔を揃えた。キャリアの浅い馬たちの一戦だけに人気も割れ加減。最終的に単勝1番人気に推されたのは2戦2勝のマカベウスで3.5倍。前走では今回と同じコースで、はやぶさ特別を勝っている。2番人気は、地元船橋でデビューから2連勝しているアランバローズで3.8倍。3番人気は、新馬戦を好タイムで優勝したファルキートで5.7倍。サウスワールドが5.8倍、セイカメテオポリスが7.0倍と5頭が10倍未満のオッズとなった。
先行馬が揃い注目の逃げ争いだったが、2番枠を引き当てたアランバローズが好スタートからすんなり先手を取った。2番手にトーセンウォーリア、その後ろにマテーラフレイバーや、サウスワールドがつけた。大外枠だったマカベウスは後方から外をまわって中団まで押し上げた。また、ファルキートは後方2番手を追走していた。
アランバローズは軽快に逃げ、後ろとの差を大きく広げていた。直線に入ってもその脚はなかなか止まらない。後続馬たちも懸命に追いかけていたが、アランバローズにとってはセーフティリード。そのまま2馬身半差をつけ、1分27秒0の好タイムで逃げ切った。2着には、最後鋭い末脚を見せたマカベウス。ゴール前でクビ差交わされたが最後まで踏ん張っていたサウスワールドが3着という結果となった。
無傷の3連勝で重賞制覇、そしてゴールドジュニア初代チャンピオンの座を手にしたアランバローズ。デビューからの2連勝はいずれも逃げ切り快勝で、3馬身差、5馬身差とスピードの違いを見せていた。また今回は、休み明け、初遠征、初コース、初距離ではあったが、それらをなんなくクリア。3戦すべて騎乗している左海誠二騎手も「力のある馬なので、初物尽くしでもしっかり克服してくれた。強い勝ち方でした」と評価した。
これでアランバローズには11月17日に行われるハイセイコー記念の優先出走権が与えられたが、林正人調教師によると「性格の問題もあるので、あまり間隔を詰めて使いたくありません。今後は馬の状態を見ながらオーナーと相談します」とのこと。今年の東京ダービーを制した厩舎から、早速楽しみな馬が現れた。
1番人気の支持を受けたマカベウスにとっては今回が初めての敗戦。しかしながら、レース上がり最速の脚は目を見張るものがあった。母は2010年の桜花賞(浦和)馬で、南関東や北海道の重賞7勝をあげた名牝ショウリダバンザイ。血統面からも今後の活躍を期待しているファンも多いことだろう。
3着のサウスワールドは、北海道からの移籍初戦だった。デビュー戦の門別1100メートル戦では、後続を2秒3離してのレコード勝ちという強烈なインパクトを残した馬だ。まだまだ未知数なだけに南関東リーディングの浦和・小久保智厩舎でどんな成長を遂げていくのか、こちらも注目の一頭である。
Comment
左海誠二 騎手
1週前に跨った感じも良く今日の返し馬も良かったです。気が良い馬なので最後まで力を残さなきゃと折り合いだけは気を付けました。スタートして少し仕掛けたらスピードに乗ってくれましたね。距離はもう少し延びても大丈夫そうです。まだまだ伸びしろはあるのでこれから大事に育てていきたいです。
林正人 調教師
3か月ぶりの実戦となりましたが、この馬は間隔を取った方が良いと思っていたので状態も良かったです。スタートに少し課題のある馬なのでゲートが開いてからはジョッキーの判断に任せていました。スタートも良く道中も良い感じで走っていたので、そのまま最後まで行ってくれと思いながら見ていました。