新型コロナウイルス感染拡大防止により、川崎競馬場も無観客開催を実施してきたが、前開催の最終日にプレオープンとして一般のお客様の入場が始まり、この開催から本格的に再開(現状では事前抽選による人数制限)。
そんなお客様が見守る中で行われた2歳馬による地方全国交流の鎌倉記念。未来優駿2020に組み込まれ、未来の名馬を探すのも楽しみな一戦。今年からJBC2歳優駿JpnⅢの指定競走にもなった。
勝ったのは、北海道・林和弘厩舎所属のリーチで、4年ぶりに北海道勢から優勝馬が誕生。前走イノセントカップでは内の3番手から差し切る競馬で、重賞初制覇を飾ったばかり。この鎌倉記念ではメンバー中唯一の重賞ウイナーながら3番人気だったのだが、終わってみれば、2歳馬の層が厚いホッカイドウ競馬所属馬の強さを示した。
レースを振り返ると、スタートを切り最初のコーナーまでのポジション取りでは、かなりごちゃつくシーンも見られたのだが、ここまで3戦3勝のジョーロノが逃げる形。2番手には前哨戦の若武者賞を制したピースフラッグ。そのうしろにヴァヴィロフや1番人気ナジャなどが続き、中団にはリーチやセイカメテオポリス。最終的に上位に来る馬たちがここまでのポジション取り。
最後の直線に入ってもジョーロノが先頭で必死に粘り込もうとするも、押し上げてきたリーチが大外から一気の差し脚でライバルたちを抜き去ってのゴール。勝ちタイムは1分35秒0(稍重)。内から伸びたセイカメテオポリスがクビ差2着、ジョーロノは3着だった。
今回初めてリーチとコンビを組んだ本田正重騎手は、「操縦性のいい馬ですね。前半では狭くなってしまって不安なところもありましたが、あとは窮屈な競馬をさせないように、多少外々を回っても大丈夫かなという手応えだったので、直線は楽でした。それでも最後は戸惑って走っていたので、まだ余力は十分だと思います。着差以上の強さでした」とのこと。
リーチは北海道から20時間ほどの長距離輸送でレース前日に川崎競馬場入り。まだデビューしたばかりの若い2歳馬が、そんなハンデも押しのけ初物尽くしの中で優勝した姿には頭が下がる。
管理する林調教師の話しでは、リーチのセールスポイントは、「スピードと切れ」とのこと。最後の直線で存分に発揮されたその持ち味を生かし、どんな競走生活を重ねていくことになるのだろうか。
優勝したリーチと2着のセイカメテオポリスには、12月16日の全日本2歳優駿JpnⅠへの優先出走権を獲得した。
Comment
本田正重 騎手
この馬の力を出せたのか出せなかったのかはわからないですが、結果を出せて良かったです。跨った瞬間にいい馬だなぁという印象で、返し馬ではテンションが上がり過ぎないよう気をつけました。少しずつですが、お客様も競馬場へ足を運べるようになって、僕たちもいい競馬を提供できるように頑張ります。
林和弘 調教師
(本田騎手には)北海道でのことを伝えて、レースに行けばゲートを出てみないとわからないので、お任せして乗ってもらいました。1コーナーに入るところで狭くなってごちゃごちゃしたので心配でしたが、そこから外に出して、あとはゆっくり見ていました。この後は全日本2歳優駿に向かいたいです。