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第40回 2015年1月9日(金) あんかけチャンポン(園田競馬場)

園田競馬場
「三木屋」 あんかけチャンポン(650円)

 園田競馬場の「三木屋」がある場所は、正面入口を入って右側にある食堂街のいちばん奥。位置的にはかなり目立たないところだが、独特の雰囲気を感じさせる店があることは以前から気づいていた。でも、なかなか入る勇気が出ず……。
三木屋さんの外観
 旅先でも自宅の近所でも、新しくできた店にはなんとなく入りにくい気がするもので、さらに店内の様子が外から見えにくいとなると、それは一種のチャレンジといえるぐらいの心境になる。「三木屋」の写真を見ていただければわかるとおり、外の明るさとは対照的。ただ、店先のメニュー表には興味ある文字が並んでいるから、入ろうかどうしようか、実は昨年の春から迷っていたのだ。
 そしてようやく、年末に入ることを決意。しかし一人で行くのは心もとないので、現地で居合わせた知り合いを誘って行った。
 しかしながら、そういうたたずまいでも変わらずに営業できているということは、固定ファンがガッチリと支えているという証かも。そういうことも考えつつ店内に入ると、うわぁ、なるほど、やっぱりそういう店ですか!
 入口からまず見えたのは、「コ」の字型のカウンター席。こういうスタイルって、いわゆる昔ながらの居酒屋に多いような感じがする。そしてそこに座ってお酒をたしなみながら新聞を読んでいるのは、まさに常連の香りが漂うおじさまたち。こんな味のある雰囲気は一朝一夕にできあがるものではない。店のお姉さんにいつから営業しているのかと聞いてみると、
「昭和二十何年ごろからですかねえ。最初はゴールの近くでやっていたんですよ。昔はこのあたりにパドックがありましたから」
 いやあ、園田競馬場のパドックが移転したことなんて、私もつい最近まで知りませんでしたよ。さすが老舗というところかしら。ではさっそく、注文したあんかけチャンポンを食べてみますか。
一杯飲みたくなるメニューの数々
 野菜がたっぷり含まれた「あん」はドッシリとしていて、その下にある麺をすくい上げるのにちょっと力がいるぐらい。そのかわりボリュームはたっぷりで、食べ終わるころには胃の中にドッシリ感が移ってきた。全体的に塩がよく効いていて、また食べに来てもいいなと思える味だ。
 食べながら店内を見渡すと、カウンターの奥の壁には、まさに居酒屋という感じのメニューが並んでいる。ここ、じつはかなりの名店なのかもしれないぞ。テレビでよくやっている、居酒屋を訪ね歩く番組とかで取り上げられてもいいんじゃないかなあ?



浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。

※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。