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第33回 2014年6月10日(火) 牛すじカレー(園田競馬場)

園田競馬場
「串勝や」 牛すじカレー(500円)

 園田競馬場のゴール地点近くにある食堂街、そのいちばん馬場寄りにある「串勝や」。いつも気になっていたのだが、串カツといえばお酒、というイメージが個人的に頭にあるために、これまで入ることをためらっていた。
 ただ、店頭に書かれていた「牛すじカレー」なら、お酒を飲まなくても大丈夫そう。そして外から店内を見れば、勝負服やゼッケンが飾ってある。競馬好きの人が経営しているお店なのかなあ。
 と思いながら店内に入ると、2人のお兄さんが元気よく迎えてくれた。さっそく牛すじカレーを頼むと、煮込まれた「スジ」をカレールーと合わせて小さい鍋で加熱し始めた。そして注文から5分もたたずに、ハイどうぞ。
 ボリューム的には手頃という感じだが、たっぷりのカレールーから漂う匂いは柔らかい刺激。スプーンでそのなかを探ってみると、「牛スジ」がたくさん入っていた。それをさっそくいただくと、おお、なんてやわらかい! 思わず店のお兄さんに「うまいですね」と言ってしまった。
店主の山内さん

 「串勝や」は2012年9月7日、「その金ナイター」スタートの日にオープンしたお店。経営している山内祥聖さんは、もともとお笑い芸人さんだったそうだ。
「お店の壁に貼ってあるメニュー表は、青芝フック師匠に書いていただいたものなんです。オープン当初は串カツも12種類ぐらいだったんですが、だんだんと増やして今の感じになりました」
 とのこと。反対側の壁には、青芝フック画伯の色紙も飾ってある。
「これは競馬場の売店で買ったんですが(笑)」
 しかし、芸人さんだったのならば、飲食店の経営は初心者?
「芸人になる前に、うどん屋さんで3年くらい働いていました」
青芝フック師匠が書いたメニュー札

 ということで、一国一城の主になるのはこの店が初めて。串カツは注文を受けてからひとつひとつ丁寧に衣をつけて、そしてフライヤーに入れている。なかなか気持ちがいい仕事ぶりだ。
 さて、牛すじカレーはおいしかったけれど、ここの本業は串カツ屋。ということで、後日、改めて串カツ定食(650円)を食べに行ってみた。鶏肉、玉ねぎ、ネギ豚、ウズラの串カツ4品と刻みキャベツ、そしてごはんにみそ汁という定食は、満足度の高いメニューだった。
 「大繁盛まではまだまだですけれど、まじめに頑張っていこうと思っています」
と、山内さん。園田競馬場の名物として育っていくことを期待したいお店だ。


浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。

※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。