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第80回 2015年3月20日 キングスゾーン
中央未勝利で愛知の原口次夫厩舎に移籍し、長きに渡って地方競馬全体を盛り上げたキングスゾーン。2007年サマーチャンピオンJpnⅢ優勝をはじめ、全国を渡り歩いて積み重ねていった勝ち星は、通算34勝(重賞11勝)。11歳まで現役を続け、121戦を走り抜きました。「馬がとても丈夫ですね。ハードな調教を積んでいるのですが、カイバもちゃんと食べて、耐えてくれています。常に安定した中でやっていて休養らしい休養は取っていないので、筋肉も衰えないのでしょうね」と、以前取材に答えてくださった原口調教師。
キングスゾーンはまさに無事是名馬の象徴でした。もちろん、関わってきた皆さんの努力があってこそ。当時の地方競馬を代表する名馬の1頭だったと思います。
現役引退後は、愛知県豊山町にあるA.R.C空港乗馬倶楽部で第二の馬生を歩み始めました。
「最初の1年間は、気が強いというか怖がりというか、何かの拍子で暴れたり、手入れを嫌がったりして本当に大変でした。競技会に連れていっても初めての場所にビックリしたのか、入場したらピクリとも動かなくなってスタートが切れなかったり……。
でも、この半年間で想像もつかないくらい変わりました。時間がかかった分よくなるのがとても早くて、今はすごくいい仔です。みんなに愛されてかわいがられていますよ」と取締役社長の髙田葉子さん。
スタッフとして働いているご子息の康司さんが、キングスゾーンに乗馬としての心構えをじっくり教え込んできたそうです。初心者は乗れないそうですが、今は2名の女性の会員さんがキングスゾーンの背中を楽しまれているそう。
「(キングスゾーンの)走っているところを見ても、『あなたの言うことを聞きます』って感じで、今はすごく安定していますね。どうしてここまで変わってくれたのかは馬に聞いてみないとわかりませんが(笑)」(髙田さん)
キングスゾーンも今年13歳になりましたが、乗馬の世界ではまだまだ若手。健康状態も至って良好で、元気に過ごしているそうです。
乗馬としての生活は歩み始めたばかりですが、これからどんな風に過ごしていくのでしょうか。同じ愛知所属だったマルカセンリョウが名古屋競馬場に1日誘導馬としてお里帰りをしたこともありましたが、キングスゾーンもそんな日がやって来たらファンの皆さんもたまらないでしょうね!
キングスゾーンの近況は、スタッフの方が綴っている『キングスゾーンのブログ』でご覧になれますよ。アドレス⇒http://ameblo.jp/teamarcking/
A.R.C空港乗馬倶楽部のアドレス⇒http://www.arc-jpn.com/
撮影 高橋華代子
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高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など