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第79回 2015年2月20日 サマーウインド

実に1540日ぶりの勝利を飾ったサマーウインド
(写真提供:高知県競馬組合)
Profile
 2010年のJBCスプリントを制したサマーウインド。この年は船橋競馬場で初めてJBCが行われ、スプリントは1000m戦として行われました。サマーウインドはクラスターカップと東京盃を連勝中で断然の1番人気に支持をされ、抜群のスピードで先手を取ると、直線ではその差をさらに突き放して、2着のナイキマドリードに4馬身差をつける圧勝でした。「皆さんと同じようにこの馬が最強と信じていたので今はホッとしています。馬も楽に走ってくれて、スピードを思う存分に発揮できれば大丈夫だと思っていたので、このスピードなら(他馬は)追いつけないだろうと。僕はいつもつかまっているだけなので本当に強い馬です」とコンビを組んでいた藤岡佑介騎手。2010年ダートグレードレースの短距離戦線では、サマーウインドのことを語らずにはいられません。

 しかし、それ以降は元気のない成績が続きました。昨年5月に北海道競馬へ再転厩し、金沢競馬を経由して、昨年末から高知競馬の雑賀秀介厩舎に仲間入り。

 C3クラスに格付けされ、1月21日の高知3レースで初戦を迎えました。岡村卓弥騎手を背に道中は4番手内目を進めていき、3~4コーナーで先頭に立つと、ゴール前には岡村騎手が持ったままで後ろを確認する余裕たっぷりの内容で完勝。「1540日ぶりの勝利!!!」という橋口浩二アナウンサーの実況も印象的でした。戦ってきた相手が違うという事実はあるものの、競走馬である以上、レースに出走してまた勝つことができたということ自体が本当にすばらしいと思います。

 「転厩2戦目は4着でしたが、2走ボケというかまさか負けるとは思わなかったのでビックリしてしまったんですが、1戦目と3戦目は力の違いで順当に勝ってくれました。生まれ持ったモノが違うというか、やっぱり垢抜けているし風格もありますよ。普段は素直だしいい仔ですね。一番いい時の状態はわかりませんが、今年10歳になってもカイバ食いもいいし、まだまだ若いです」と雑賀(秀)調教師。余談になりますが、雑賀(秀)調教師のお兄さんは、全国リーディングでもお馴染みの雑賀正光調教師です。

 さて、サマーウインドは間もなくすると、シーズンが始まる金沢競馬場に帰る予定とのこと。再び金沢でどんな競走生活を送っていくのでしょうか。地方競馬の一員として頑張っているサマーウインドが、いつまでも元気に走り続けることができますように。




高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。
現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など