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第77回 2014年12月19日 クレイアートビュン
現在の南関東は浦和の小久保智厩舎の勢いが止まる所を知りません。今年も南関東のリーディングは確定的ですが、重賞レースでの活躍が驚異的なのです。兵庫ジュニアグランプリJpnⅡをジャジャウマナラシで制して悲願のダートグレードレース制覇を飾り、サトノタイガーでは南関東で2つの重賞レースを勝ち、JBCスプリントJpnⅠとカペラステークスGⅢをともに2着。ここには書ききれないほどに、南関東内外でインパクトを残しています。そんな小久保調教師が初めて重賞を制したのは2008年10月に行われた埼玉栄冠賞で、当時厩舎の大将だったクレイアートビュンがうれしいプレゼントをしてくれました。岩手から移籍してきたクレイアートビュンは、南関東では下級クラスからコツコツと走り続けてきました。重賞に挑戦するようになってからは勝ちきれないレースも多くありましたが、それでもハードローテーションとも言える中でコンスタントに挑戦。「うまく表現はできないけど、いろいろ切り開いてくれた馬だよね。チャレンジすることを教えてくれたし存在が大きかった。忘れられない馬だね」(小久保調教師)。
小久保厩舎と言えば常に高みに向かって攻め続けていますが、その姿勢の礎となっている馬はクレイアートビュンとも言えるでしょう。
そんなクレイアートビュンは金沢や園田でも走り、すでに117戦のキャリアを誇ります(2014年12月19日現在)。12月2日の園田のレースを最後に、高知の雑賀正光厩舎に移籍しました。今は調教を積みながらも、これまでの疲れを取って、雑賀厩舎のカイバに慣れるように取り組んでいるところだそう。早いもので今年10歳。
「高知ではC1からのスタートだと思いますが、今度は高知のトップホースの仲間入りができるように仕上げていきたいです。来年11歳になりますが気性的にはまだやれると思いますよ」(雑賀調教師)。これほどの馬だからこそ態勢が整ったら出走させたい意向だそうです。
南関東のアイアンホース、無事是名馬の象徴だったクレイアートビュン。競走馬として生まれてきた以上、それはかけがえのない財産だと思います。私も大好きな馬だったので、またこうやって現役を続けているお話しを書かせて頂けたことをうれしく思います。今度は高知の代表として、いつまでも元気で走り続けて欲しいです!
なお、高知の看板馬でもある雑賀厩舎のグランシュヴァリエは、今年の帝王賞JpnⅠを最後にレースに出走していません。脚元の不安を再び発症し、現在は千葉県の牧場で休養中とのこと。来年は10歳になりますが現役は続行するそうで、復帰に向けて順調に進めているそうですよ!
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高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など