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第73回 2014年8月20日 スターシップ
中央時代は6勝を挙げ、その後は船橋競馬場の名門・出川克己厩舎にやって来たスターシップ。移籍緒戦の報知オールスターカップを優勝して8歳で重賞初制覇を飾ると、9歳では報知グランプリカップを勝ち、高いレベルで安定した走りを見せてきました。10歳になって最初のレースだった報知オールスターカップは3着に敗れたものの、優勝した兵庫の怪物オオエライジンから2馬身差で、その頑張りには感動を呼びました。「馬場に入った時は燃えてスイッチがオンになっても、帰ってからはとても大人しくてオフになる馬でしたね。自分でわかっているのか、余計なことは一切しない一流のサラブレッドでした」(出川調教師)。
スターシップと言えばルックスを語らずにはいられないでしょう。芦毛ながらも神々しいほどの白い馬体で、マツゲやタテガミ、尾っぽまで真っ白。レースを走っている時の位置取りは一目にわかるほどで、その美しさにはいつも目を奪われました。厩舎では『シロ』という愛称で呼ばれ、たくさんの人たちから愛された馬だったと思います。
今年6月の京成盃グランドマイラーズ(9着)を最後に現役から退き、千葉県千葉市若林区にある殿山ガーデン乗馬クラブへ移動。ここは船橋競馬場の誘導馬が普段過ごしている場所で、スターシップも船橋競馬場の誘導馬を目指すことになりました。
入厩当初は競走馬時代と環境もカイバの内容も違うことから食欲は落ちたそうですが、今ではすっかり慣れて、カイバ桶もなめるかのようにキレイに完食しているそうです。去勢手術も無事に終わって体調もすぐに回復し、今は乗馬のレッスンを行う日々。「常歩や速歩、発進や停止などの練習をしています。常歩は大人しいんですが、駈歩はだんだん速くなってしまいますね。普段はとても大人しくて、人に見られるのも好きな馬のように思います」と、殿山ガーデン乗馬クラブ会長の胡桃晴夫さん。このまま順調にいけば、年内中の誘導馬デビューが目標だそうです。
「あの白さはナイターにも映えるし、誘導している姿を想像しただけでも楽しみです。競走馬だった時の気持ちを早く切り替えて、馬場をおっとり回ってくれるようになればいいですね」(出川調教師)。
船橋競馬場では来年度の早い時期にナイター競馬を始めることが発表されたばかり。大井競馬場では大井のアイドルだったボンネビルレコードが誘導馬になりマスコット的存在として盛り上げていますが、今度はスターシップも船橋競馬場の顔として活躍する日が来ることを心待ちにしたいです。『シロちゃん、頑張って!』
スターシップがいる殿山ガーデン乗馬クラブのホームページはこちらです。
http://www.tonoyama.com/index.html
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高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など