第32回 2011年5月10日(火) 串カツ など(笠松競馬場)

笠松競馬場
丸玉食堂 串カツ(100円)など

中京スポーツ 清水友哉

 あまたいるスポーツ紙記者の中から、なぜか大野さんがチョイスしたのは一番記者歴の浅いひよっこの記者。何か裏がありそうな気配を感じつつも、この大役を仰せつかった喜びをかみしめ、ない脳みそをフル回転してある企画を立ててみた。「ただ若いからいっぱい食ってるだろう」という単純なノリでバトンを渡されたとも露知らず…。

店先
 笠松競馬場といえば、というかこの地方のファストフードといえばやはり串カツ。むろん笠松競馬場に出店している食べ物屋はほぼ全部といっていいほど、この串カツを出している。今回記者は、この串カツの店舗別紹介をさせていただこうと思ったのだ。
串カツ
 まず1軒目に立ち寄ったのは「丸玉食堂」さん。正門から飲食店コーナー沿いに突き進み、ちょうど角を曲がったところにあるお店だ。さっそく串カツ(100円)を注文させていただく。「ソースかミソか?」と問われるが、ここはやはりミソを選ぶのが常套手段(?)。風情あふれる発泡スチロールにキャベツを便乗させ、うまそうな串カツが……となぜかここで「これもうまいからぜひ試して」と日本酒が飛び出してきたのだ。
日本酒
 なんでもこちら「オグリキャップのふる里 笠松競馬」(350円)なる清酒を販売しているとのこと。場内どこを探しても、いや、日本全国探しても、ここでしかのめない幻のお酒なのだという。レギュラーの(中京スポーツの)仕事がなかったこの日は、なんの迷いもなくグイッといかせてもらった。(う、うまい…)。久々に競馬場で酒をのんだということもあるが、このスッキリとした切れ味と、それに相反する芳醇なうま味はどうだ。それこそグイグイ行けてしまう。恥ずかしながら、ものの10分でデキ上がってしまった。
 串カツにはビールが定番かと思いきや、串カツが決してしつこくなく、またこの酒がキリリと脂に満ちた口内を引き締めてくれるので何本でも、何杯でもイケてしまうのだ。ちなみに串カツに使う豚は古くから付き合いのある養老の精肉業者から納品。衣を付ける際の小麦粉に砂糖を混ぜるのがポイントだという。

 バクバク、ゴクゴクしているうちに、当初の「串カツ食べ歩き」企画などどこかへ行ってしまった。すっかりおなかと肝臓がいい塩梅になってしまい、(シメに何かないか…)などと探してしまう始末だ。と、ここで主人の玉腰裕一さん(46)、「これなんかいかがですか?」とざるラーメン(500円)なる珍品を出してくれた。ラーメンにつかう麺に、つゆは和風だしの利いたさっぱり味。冷やし中華よりサラリとイケるし、ざるそばよりはパンチがあって食欲を満たしてくれる。これもアッと言う間の完食だ。
玉腰裕一さん
ざるラーメン
 「ごちそうさまでした!」。串カツ一斉紹介企画はどこへ行ってしまったのか…。企画倒れにやや自己嫌悪に陥りつつ、「これはオグリキャップのふる里 笠松競馬≠ェうますぎたのが悪い」と自分に言い聞かせる記者であった。


※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。