ヤングジョッキーズシリーズ(YJS)のトライアルラウンド(TR)も東日本地区はこの浦和と大井を残すのみとなった。地方所属騎手はTR浦和出場8名(うち2名は1競走のみ騎乗)のうち5名が最後のTR騎乗予定。JRA所属騎手も出場5名のうち小林脩斗騎手と菅原明良騎手が最後のTRとなる見込みだ。
櫻井光輔騎手(川崎)は10月13日に地方通算101勝目を挙げ、減量を卒業。「YJSに出ている場合じゃないです(笑)」と、デビュー4年目としてさらなる飛躍を遂げたいところなのだろう。一方、関本玲花騎手(岩手)はこの日の第6レースで浦和初騎乗・初勝利を収め「馬場の感じをなんとなく掴めました」と話した。
第1戦の1番人気は単勝2.8倍で菅原騎手。続いて3.9倍で赤津和希騎手(浦和)、6.2倍で小野楓馬騎手(北海道)、7.2倍で吉井章騎手(大井)と単勝10倍以下は4人。
ロケットスタートを決めたのは田中洸多騎手(大井)。外から中島良美騎手(浦和)、菅原騎手と並びかけ、3頭並んで向正面に入った。「単騎で行きたかったですが、揉まれたぶん、体力を消耗しました」と田中騎手は3コーナー手前で後退していき、菅原騎手が先頭で直線を迎えた。そこに外から赤津騎手が必死に迫ったが、2馬身半差で菅原騎手が勝利。
1馬身差の3着は長い写真判定の末に同着で、「3~4コーナーでもう少しスムーズに動かせられていれば」と話した吉井騎手と、「前走で最後に脚を使っていたので、それを狙うしかない」と考え後方3番手から追い込んだ関本騎手。ハナ差5着は「出遅れてしまって……」と小野騎手だった。
第2戦も1番人気は単勝2.6倍で菅原騎手。2~5番人気は6倍台で赤津騎手、原優介騎手(JRA)、関本騎手、小野騎手が並び、人気馬の多くが逃げ・先行して好成績を残している。それもあってか、スタートから3~4頭が押して先手を取りに行った。結果的にハナを奪ったのは最内枠から山田敬士騎手(JRA)で、その外に吉井騎手、小野騎手と続いた。
3コーナーで吉井騎手と小野騎手が先頭に代わり、すぐ後ろに原騎手と菊澤一樹騎手(JRA)が続くも、手応えが楽だった吉井騎手が半馬身差で勝利。2着は好位から差した原騎手で「距離ロスなく経済コースを回るべき場面でした。勝てるレースだったので悔しいです」と反省した。3/4馬身差の3着は小野騎手、4着に菊澤騎手、5着菅原騎手だった。
2戦を終えて「あーあ、4位に下がっちゃいました」と、報道陣に逆取材して順位を把握していたのは関本騎手。ファイナルに進出となれば、地方所属の女性騎手としては初だが、「(福原)杏さんや塚本(涼人)さんが上がってきそうですね」と、現状では地方東日本6位と7位ながらこの後のTR大井で騎乗がある2人を警戒。関本騎手自身はこれがTR最後の騎乗予定のため、結果待ちとなる。
同じく「ドキドキしながら大井を見ます」と話したのは小野騎手。地方東日本1位に躍り出たが、「第1戦でもう1つ上の着順を取れていれば、もう少し余裕をもてたのに……。悔やまれます」と反省しきりだった。
一方、TR大井での騎乗を残す吉井騎手は「今年は地元でTRが行われるので楽しみです」と目を輝かせ、地方東日本2位よりも更なる高みを目指す。1競走のみの騎乗だった福原杏騎手(浦和)も「今日の9着(2ポイント)を上回る着順をとって、ポイントを加算したいです」と意気込んだ。
いよいよ次が最後のTR。例年はファイナルラウンドが行われていた大井競馬場で、11月5日に行われる。
Comment
第1戦1着 菅原明良騎手(JRA)
手応えがあって、能力があるのも分かっていたので、人間が気負わずに乗ろうと思いました。馬が応えてくれて嬉しいです。第2戦も人気をしていたのに不甲斐ない結果でした。これでTRの騎乗は終了ですが、ファイナルに行けるよう願っています。地方競馬で乗る機会はあまりなく、いい経験になっています。
第2戦1着 吉井章騎手(大井)
調教師や最近乗っていた騎手から「あまり揉まれない方がいい」と聞いていて、上手くスタートを切れたら主張しようと考えていました。スムーズに2番手を取ることができ、勝てて嬉しいです。ファイナルに行けたら関西の騎手とも交流できるので、そこで刺激を受けたいです。