ヤングジョッキーズシリーズ(YJS)東日本の2ラウンド目は門別競馬場。地方の出場騎手は、地元北海道のほかは岩手、南関東からの選抜だが、当初予定されていた北島希望騎手(浦和)が疾病療養中のため、関本玲花騎手(岩手)が騎乗することになった。
今年デビューした新人は、JRAでは小林脩斗騎手、地方は古岡勇樹騎手(川崎)で、ともに盛岡ラウンドに続いての出場。その盛岡では初めてファンの前での競馬を経験することとなったが、残念ながら門別競馬場は引き続き無観客での開催。そのため恒例の紹介式こそ行われなかったものの、出場騎手の集合写真撮影は行われた。
第1戦はワンターンの1200メートル。JRAの3騎手が前で競り合った中から山田敬士騎手(JRA)が直線を向いて先頭に立つと、その3頭を前に見る位置で進めていた関本騎手が外からとらえにかかった。
しかし落ち着いていたのは、1番人気に支持されたカツゲキダイオウに騎乗していた木幡育也騎手(JRA)。大外枠からのスタートでは外に逃避するような形で後方に置かれた。それでも3コーナーから徐々に位置どりを上げていくと、直線では並ぶ間もなく他馬を抜き去り、接戦の2着争いに4馬身差をつけての快勝。「直線はするする上がって行ってくれたので気持ちよかったです」と木幡騎手。
「コーナーに入る前に息を入れられたので、そのぶん早めに仕掛けてもしぶとく粘れたのかなと思います」という山田騎手が2着。クビ差3着だった関本騎手は「4コーナー、行けるかなと思って仕掛けていったら、最後ちょっと止まってしまいました。もうちょっと我慢すればよかったかな」と悔しそう。中団から直線よく伸びた小林騎手がこれをとらえたかに見えたがハナ差で4着。スタートで出遅れるも早めに位置を取りに行った塚本涼人騎手(岩手)が5着に入った。
ところで今年のYJSは、ここまでの盛岡、園田での各2戦、そしてここ門別での第1戦と、すべてJRA騎手が勝利。そして迎えた門別第2戦は、小野楓馬騎手(北海道)が地元の意地を見せた。
馬場を1周する1800メートル戦で勢いよくハナを取ったのは小林騎手。櫻井光輔騎手(川崎)が2番手につけ、1番人気に支持された菅原明良騎手(JRA)は外め3番手の絶好位をキープ。しかしその直後でマークしていた小野騎手のテンカビトがほぼ馬なりのまま3コーナーを回るところで先頭へ。
直線、単独先頭だった小野騎手はゴール前でやや一杯になったものの、じわじわと差を詰めた櫻井騎手、菅原騎手を1馬身、クビ差で振り切っての勝利。やや離れて4、5着に、岩手の塚本騎手、関本騎手が入った。
勝った小野騎手は、「(3コーナーは)抑えて行ってもよかったのかもしれないですけど、手応え違ったのと、内にいるのが人気馬でしたから、早めに仕掛けて潰していくつもりで乗りました」と、地の利を生かした強気な騎乗で、昨年に続いて地元のYJSで1着のポイントを稼いだ。
相対的に出場者の少ないJRA騎手はほとんどの騎手が4戦以上の騎乗を残しているためポイントはまだまだ変動しそうだが、地方・東日本では残り2~3戦となった騎手も少なくない。そうした中で、関本騎手はここまで4戦に騎乗して6、4、3、5着と上位を確保し、地方・東日本の暫定トップに立っている。
Comment
第1戦1着 木幡育也騎手(JRA)
スタートがうまく切れなかったので、だったら出た感じの馬のリズムで行かせて、3~4コーナーから徐々に上がって行きました。馬が強かったですね。それなりのペースで、そこまで前とは離れてなかったので、落ち着いて乗ることができました。
第2戦1着 小野楓馬騎手(北海道)
(第2戦は)無理して抑えるより流れに乗ってしぶとく残ったほうがいいかなと思って行きました。(YJS2年連続勝利は)いい馬に当たっているので、その馬の能力を出せたのがよかったと思います。去年は他場でちょっとヘタに乗ったので、同じことを繰り返さないようにしっかり乗ってきたいと思います。